JRA【ファンタジーS(G3)展望】武豊騎手×武幸四郎調教師タッグが2度目の重賞挑戦! 2連勝中の逸材VSソダシ妹! ドレフォン産駒の良血馬にも要注目
11月6日、阪神競馬場では2歳牝馬による重賞、ファンタジーS(G3)が行われる。注目は武幸四郎調教師が送り込む2戦2勝の逸材だ。
ウォーターナビレラ(牝2歳、栗東・武幸四郎厩舎)は、シルバーステートの初年度産駒で、8月札幌の2歳新馬(芝1500m)を6番人気で勝利。続くサフラン賞(1勝クラス)も同じく6番人気で制し、デビュー2連勝を飾った。
いずれも吉田隼人騎手が鞍上を務めていたが、今回は武豊騎手に白羽の矢が立った。武兄弟のタッグで重賞に臨むのは昨年7月の函館記念(G3)以来、2度目。前回は5番人気ワールドウインズで7着に敗れていた。
ウォーターナビレラは2連勝中とはいえ、いずれも人気薄だったため、フロック視する声も聞こえてくる。いずれもスローペースで、初戦は逃げ切り、2戦目は2番手から抜け出しての勝利だった。展開的にやや恵まれたのも事実だろう。
今回は距離も1400mに短縮され、ペースアップは必至。そうなったときの対応力が問われそうだが、そこは百戦錬磨の武騎手。テン乗りでもしっかり操縦してくれるはずだ。
武兄弟はそろって重賞勝利から遠ざかっている。武騎手は3月の中山牝馬S(G3)、武調教師は19年3月のファルコンS(G3)が最後の重賞勝利。兄弟で久々の美酒を味わうことはできるか。
1戦1勝のオルコス(牝2歳、美浦・加藤士津八厩舎)は池添謙一騎手とのコンビで出走を予定している。父は新種牡馬ドレフォン。その産駒ジオグリフは札幌2歳S(G3)を勝ち、来年の牡馬クラシック最有力候補に名乗りを上げている。
オルコスは兄に今年の皐月賞(G1)4着馬アドマイヤハダル、伯母にスイープトウショウがいて、母系も折り紙付き。9月のデビュー戦は中山マイルで、2番手追走から直線抜け出す横綱相撲でクビ差勝利を飾った。
この時の勝ち時計1分35秒5は、同コースを走ったウォーターナビレラの2戦目より0秒3速い。「軽くて良いフットワークをしている馬ですから、開幕週のきれいな馬場も良かった」という池添騎手のコメントからも、馬場は軽い方がいいだろう。
開業3年目の加藤士調教師は3度目の挑戦で重賞初勝利を狙う。思い切った関西遠征が実を結ぶか。
桜花賞馬ソダシの全妹ママコチャ(牝2歳、栗東・池江泰寿厩舎)は、藤岡佑介騎手とのコンビで重賞初挑戦。デビューから2戦はどちらも2番人気に支持されたが8着、3着と人気を裏切った。
真価を発揮したのは3戦目。初めて先行策を取ると、2着に2馬身半差をつけ完勝した。当該コースをすでに2度経験している強みを生かして、偉大な姉に少しでも近づきたい。
9月の小倉2歳S(G3)で上位を独占した3頭も出走を予定している。
ナムラクレア(牝2歳、栗東・長谷川浩大厩舎)は、新馬戦3着後、未勝利の身でフェニックス賞(OP)に挑戦し、見事優勝。続く小倉2歳Sは、和田竜二騎手負傷のため当日朝に急遽乗り替わりが発生。代打で結果を残した浜中俊騎手が今回も引き続き騎乗する。
同レース2着のスリーパーダ(牝2歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は、ナムラクレアと同じくミッキーアイル産駒。姉にはオークス馬のシンハライトがいる良血で、距離延長は歓迎。
同レース3着のアネゴハダ(牝2歳、栗東・佐々木晶三厩舎)は、大外10番枠からスタートで大きく外に膨れてしまうロスがあった。それがなければ上位2頭との差はもう少し詰まっていただろう。
距離延長で臨む小倉2歳S組、1600mからの距離短縮で臨むウォーターナビレラとオルコスなど、混戦模様を呈している今年のファンタジーS。発走は6日15時45分を予定している。