JRA【京王杯2歳S(G2)展望】「4戦4勝」C.ルメール&「距離延長はプラス」コラリンが中心!逆転視野は新種牡馬の産駒たち

 11月6日、東京競馬場では京王杯2歳S(G2)が行われる。昨年はダイワメジャー産駒のモントライゼが優勝し、鞍上C.ルメール騎手はこのレース通算4勝目を飾った。

 今年の主役候補も同じルメール騎手のダイワメジャー産駒。叔父にG2・3勝のシャケトラがいる良血コラリン(牝2歳、美浦・岩戸孝樹厩舎)だ。

 6月札幌のデビュー戦(芝1000m)は1番人気に支持されたが、スタート後の不利が響き、4着に敗れた。2戦目は函館芝1200mの未勝利戦で、今度はスタートでやや後手を踏んだが、すぐに挽回。横山武史騎手がうまく内に潜り込み、道中は2番手を進んだ。直線に入って早めに先頭に立つと、そのまま押し切って勝ち上がった。

 続く3戦目は中山芝1200m戦のカンナS(OP)。ここでもスタートで出遅れ後方からの競馬。4コーナーでは8番手という位置だったが、直線で大外に持ち出すと、逃げ馬をとらえ後続馬の追撃を振り切った。

 1000mでデビューしたように、将来的にはスプリント路線を歩むことが濃厚。実際、ルメール騎手も「1400mまでの短距離タイプ」とコメントしている。ただし、スタートがいまいちの現状は、挽回が容易な距離延長はプラス要素と捉えたい。

 また、ルメール騎手はこのレース4戦4勝と好相性を誇る。牝馬の優勝は1998年ウメノファイバーを最後に出ていないが、牡馬相手でもここはコラリンの激走に期待したい。

 8月の新潟マイル戦でデビュー勝ちしたトウシンマカオ(牡2歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)は、1400mへの距離短縮を味方につけたい。

 父はサクラバクシンオーの直仔ビッグアーサーで、現役時代に出走した15レース中14レースが1200m戦。残る1レースも1400mという生粋のスプリンターだった。1600mで勝利を挙げたトウシンマカオだが、血統的にも距離短縮でパフォーマンスを上げる可能性は高いだろう。

 デビュー戦で手綱を取った戸崎圭太騎手も「追い切りから動いていました。それがレースに現れていました。ただ少し前向きすぎるところがあります」と性格的にも将来は1200~1400mが主戦場となりそう。

 ビッグアーサー産駒はこれが重賞初挑戦。いきなり2歳重賞を勝てば、種牡馬としての価値が急上昇することは間違いないだろう。

 新種牡馬シルバーステート産駒のベルウッドブラボー(牡2歳、美浦・和田雄二厩舎)も父に重賞初勝利を届けたい。

 デビューは今回と同じ東京1400m。道中は好位4番手を進んだが、ハイアムズビーチの3着に敗れた。その後は、2歳未勝利、ダリア賞(OP)を連勝し、満を持して秋初戦を迎える。

 この馬の武器はレースセンスの高さ。3戦すべて好位につけ、末脚も確実だ。手綱を取ってきたM.デムーロ騎手も「乗りやすいです」というコメントを残している。ただし、「馬混みが好きではないようで、3~4コーナーではだいぶ気にしていました」とも。

 今回は丸山元気騎手へ乗り替わる予定だが、ポジション取りさえ気を付ければ好勝負に持ち込めるだろう。3連勝で朝日杯FS(G1)へ向かいたい。

 この他にも、ディーマジェスティ産駒のシゲルファンノユメ(牡2歳、美浦・伊藤圭三厩舎)、ロゴタイプ産駒のラブリイユアアイズ(牝2歳、美浦・ 黒岩陽一厩舎)という新種牡馬の初年度産駒にも期待がかかる。

 ロードカナロア産駒のキングエルメス(牡2歳、栗東・矢作芳人厩舎)とヴィアドロローサ(牡2歳、美浦・加藤征弘厩舎)は、いずれも北海道で勝ち上がってきた。前者はクローバー賞(OP)5着からの巻き返しを図る。新馬、すずらん賞(OP)を連勝中の後者は軽い芝への対応がカギを握る。

 ここを勝って朝日杯FS(G1)に名乗りを上げるのは果たしてどの馬か。発走は15時35分を予定している。

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