JRA 「鬼に金棒」レイパパレに「黄色信号」点滅!? 鬼門は距離だけじゃない!考えられるエリザベス女王杯(G1)敗北のシナリオ

 世間では紅葉シーズンで各地の観光地が賑わうなか、中央競馬も秋真っ盛り。11月1週目こそG1開催はないが、2週目のエリザベス女王杯(G1)から7週連続G1開催に突入する。

 7週連続開催のトップバッターを務めるエリザベス女王杯には、特別登録の段階でG1馬2頭を含むフルゲートぴったりの18頭が登録。注目は数少ないG1馬のレイパパレ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)だろう。

 レイパパレは牝馬クラシック未出走も、無敗で今年の大阪杯(G1)を制したことで同期の三冠馬デアリングタクトと並ぶ逸材として知られる。宝塚記念(G1)で3着に敗れて初黒星を喫して以降連敗しており、ややリズムが狂ったことは否めないが、いずれにせよ出走馬では1番の実績を誇る馬である。

 鞍上は昨年の優勝騎手のC.ルメール騎手になる予定だ。今秋のG1は未勝利も、全て3着以内と勝負強く、今年のリーディングも2位に40勝近い差をつけ独走中。そのため、上位人気が確実とされている。

 まさに「鬼に金棒」状態のレイパパレだが、記者は「レイパパレは危険な人気馬になるかもしれません」と、黄色信号を発している。

「オープンへ昇級してから逃げまたは先行して好走を続けてきたレイパパレですが、今回非常に同型の馬が多いです。激しい先行争いに巻き込まれてアッサリ敗れるシーンも考えられます」(競馬記者)

 今回のペースメーカーになりそうな馬はレイパパレの他に前走逃げたリュヌルージュ、そしてレイパパレの前走のオールカマーで逃げたロザムールが考えられる。また6月のマーメイドS(G3)を逃げ切ったシャムロックヒル、積極的な騎乗で菊花賞(G1)を制した横山武史騎手のウインマリリンなども候補として挙げられる。

 さらに、今年の目黒記念(G2)を番手から押し切ったウインキートスや先行競馬が板についているエアジーンなど逃げはしないが前目につけることが多い馬も揃っている。それゆえ、ペースが速くなる確率が高い。

「ロザムールは前走で逃げ宣言としているように、逃げる競馬が理想なタイプです。そこへシャムロックヒル、リュヌルージュ、ウインマリリンといった先行馬も場合によってはハナを主張するかもしれません。この3頭の騎手は全員積極的な騎乗で知られる若手ですから、果敢に位置を取りにいくことでしょう。

そうなると同型のレイパパレはペース的に厳しいでしょう。最悪の場合、先行争いに巻き込まれた影響でエキサイトするかも。川田騎手は常々レイパパレについて『コントロールが難しい』と、話していました。騎乗技術に定評のあるルメール騎手ですから、大丈夫と思いたいですが、テン乗りになるので確信は持てません」(同)

 デビュー以来連勝街道を歩んだレイパパレにとって、2戦2敗の2200mは鬼門と言える。距離の心配がない天皇賞・秋(G1)やマイルCS(G1)を使わないということは、陣営サイドから距離は大丈夫と思いたいが、もしかしたら思わぬ“落とし穴”が待ち受けているかもしれない。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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