JRA丸山元気「不可解」後方待機で終戦…京王杯2歳S(G2)ベルウッドブラボー2番人気も見せ場なし
6日、東京競馬場で行われた京王杯2歳S(G2)は、8番人気の伏兵キングエルメス(牡2歳、栗東・矢作芳人厩舎)が勝利。前走のクローバー賞(OP)は1番人気を裏切る敗戦だったが、素質馬がしっかり巻き返した。
前走は中団からの競馬だったが、この日は2番手からの積極策。+18kgと大きく馬体を増やしていたが、馬体重が戻ったことで本来のパフォーマンスを取り戻した。レース後に坂井瑠星騎手が「前走と違って、明らかに良くなっていたので、正攻法のレースで臨みました」と話した通り、好馬体が積極性に繋がったまさに陣営の勝利と言えるだろう。
その一方、不可解な後方待機に終始して9着に沈んだのが、2番人気のベルウッドブラボー(牡2歳、美浦・和田雄二厩舎)だ。
ベルウッドブラボーはデビュー戦こそ3着に敗れたが、未勝利戦を楽勝すると、8月のダリア賞(OP)であっさりと連勝。今回と同じ左回りの芝1400mのオープンを勝った実績が考慮され、2番人気の支持を集めていた。
しかし、レースでは3番手から抜け出した前走のような積極性は見られず、後方からの競馬。12番手で最後の直線を迎えたが、前残りのスローペースでは出番なしか。9着でレースを終えている。
この結果に納得できないのは、ベルウッドブラボーを応援していたファンだろう。デビューから3戦はM.デムーロ騎手が騎乗して、いずれも好位からの競馬だったが、この日は丸山元気騎手に乗り替わりとなっていた。
それだけにレース後には、SNSや掲示板で「なぜ、後方から…」「あんな位置で届くわけない」「デムーロが乗っていれば」など、丸山騎手の騎乗への疑問が続々……。中には「次はデムーロで」「丸山に乗り替わりの時点で切るべきだった」という厳しい声もあった。
「うーん……スタートはそこまで悪くなかったんですが、すぐに隣にいたセルバーグに前に入られてポジションを取りに行けなくなってしまいました。レース後に丸山騎手が『外に張っていた』と指摘した通り、折り合いをつけて走るのもなかなか苦労していた印象。上位陣は軒並み前にいた馬だけに、不完全燃焼のレースになってしまいましたね。
前走まで騎乗していたデムーロ騎手が10番人気のジャスパークローネに騎乗していただけに、ベルウッドブラボーに乗る選択肢もあったと思いますが、前者は非常に乗り難しい馬で陣営も乗り慣れたデムーロ騎手への思いが強かったのかと思います」(競馬記者)
レース後、「新馬戦の前は、そんなこと(外に張ること)はなかったのですが……」と最後まで首を傾げる他なかった丸山騎手。これが本来のベルウッドブラボーの走りではないことは明らかだけに、次走見直してみたい1頭だ。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。