JRAエリザベス女王杯(G1)アパパネ母娘と「因縁」の対決へ! ランブリングアレー、血の後押しでリベンジに現実味!?
14日、阪神競馬場では第46回エリザベス女王杯(G1)が行われる。レイパパレと1番人気を争うとみられるのは、先月の秋華賞(G1)を制したアカイトリノムスメだ。
母はご存じ三冠牝馬のアパパネ。母もまた秋華賞制覇後にエリザベス女王杯に挑んだが、スノーフェアリーの3着に完敗。翌年にも再び同馬の3着と返り討ちにあった。アカイトリノムスメにとってエリザベス女王杯は母のリベンジを果たす舞台ともいえるだろう。
そのアカイトリノムスメ相手に最も闘志を燃やしているのはランブリングアレー(牝5歳、栗東・友道康夫厩舎)かもしれない。5歳を迎えた今年は春に中山牝馬S(G3)で重賞初制覇。続くヴィクトリアマイル(G1)ではグランアレグリアの2着に健闘し、距離が延びるエリザベス女王杯で一つ上の着順を狙っている。
実はランブリングアレーの母ブルーミングアレーはアパパネと同世代。現役時代には2度の直接対決があった。
1度目は2歳秋に行われた赤松賞(1勝クラス)。このときはブルーミングアレーが単勝1.8倍の1番人気に推されたが、3番人気アパパネに2馬身半差をつけられ2着に完敗している。
その後、アパパネは名牝の道を歩み、G1通算5勝という輝かしいキャリアを送った。一方のブルーミングアレーは、2勝目が遠く、自己条件で善戦続き。3歳春のフローラS(G2)でなんとか3着に入り、オークス(G1)出走にこぎつけた。
2度目の顔合わせはそのオークス。桜花賞に続く牝馬クラシック二冠を狙うアパパネが1番人気、ブルーミングアレーは14番人気と、最初の対戦から半年間で両者の立場は一変していた。結果はアパパネがサンテミリオンと同着1着、ブルーミングアレーは善戦及ばず0秒7差の7着だった。
2度目の対戦でも格の違いを見せられたブルーミングアレーはオークス出走の経験を糧に飛躍を遂げる。夏の札幌で自己条件を2連勝。準オープン2着のあと、4歳初戦を勝利して待望のオープン入りを果たしたのだ。順調なら春のヴィクトリアマイルか秋のエリザベス女王杯でアパパネと3度目の対戦もあり得ただろう。
ところがブルーミングアレーは屈腱炎を発症し、アパパネとの再戦を果たすことなく繁殖入りとなってしまった。
母同士が最後に対戦したオークスから11年半。母の雪辱を果たすためにも、アカイトリノムスメには負けたくないところだ。下馬評ではランブリングアレーの苦戦は免れないが、血統の力が後押ししてくれる可能性もあるという。
「ランブリングアレーも5歳を迎えたこの春に好成績を残したように、この母系はやや奥手なところがあります。実際、ランブリングアレーの叔父、つまりブルーミングアレーの弟2頭は5歳秋にG1を制覇しています。
ブルーミングアレーの1歳下の弟、トーセンラーはマイルCS(G1)を、さらに1歳下のスピルバーグは天皇賞・秋(G1)を、どちらも5歳秋に勝利しました。母は4歳の時に志半ばで引退しましたが、屈腱炎さえなければ大きいところを狙えた逸材だったかもしれませんね」(競馬誌ライター)
「5歳秋にG1制覇」……。叔父2頭の後押しも受けて、ランブリングアレーは母のリベンジを果たすとともに、優勝の2文字を見据えている。