JRA 武豊「分からない」1番人気17着の大失敗!? マイルCS(G1)重賞3勝牝馬と運命の歯車変えた「あのレース」から約2年ぶりのリターンマッチ

サウンドキアラ 競馬つらつらより

 JRAでは今週末から8週連続のG1開催がスタート。次週21日、阪神競馬場ではマイルCS(G1)が行われる。

 前哨戦のスワンS(G2)2着から本番へと挑むのが、昨年のマイルCSでは10着だった重賞3勝のサウンドキアラ(牝6歳、栗東・安達昭夫厩舎)だ。

 主戦の松山弘平騎手に代わり松若風馬騎手が騎乗した前走は、ゴール前で久々に“らしい末脚”をみせてあわやの2着。ここ5走は着外続きだったが、まだまだ健在であることをアピールした。

 サウンドキアラはもともと武豊騎手の手綱で、2017年11月にデビュー。後に重賞を勝利するエアアルマスなどを相手に、2馬身差をつける快勝を収めている。コンビ通算で8戦2勝、2着2回、3着3回。相性の良さを武器にして、一発を狙って行きたいところだろう。

 だが一方で、同馬はすでに6歳秋を迎えており、前走で2着には入っているものの、重賞を連勝していた頃に比べると、さすがに勢いに陰りが見えていることも否めない。武豊騎手がチャンスを得たのも、主戦の松山弘平騎手がサリオスに騎乗するためだ。

 武豊騎手とサウンドキアラの運命の歯車を変えるターニングポイントとなったのは、2020年の始めに行われた京都金杯(G3)だ。

カテドラル 撮影:Ruriko.I

 同レースには、前走のリゲルS(L)で武豊騎手とコンビを組んで3着に入っていたサウンドキアラと、同じく武騎手の手綱でマイルCSを6着と健闘したカテドラルがエントリーしていた。両馬ともに人気を集めることが予想されたが、武騎手は最終的にはカテドラルに騎乗。一方、サウンドキアラ陣営は、鞍上に松山騎手を確保して同レースへと出走した。

 結果は、松山騎手に導かれたサウンドキアラが見事に1着に入り、重賞初制覇を達成。一方の武騎手のカテドラルは、1番人気に支持されるも17着という不可解な大敗を喫することに。武騎手はレース後、「分からない。どうしたんだろう」と話し、ひたすら首をひねるばかりだった。

 サウンドキアラはその後も松山騎手とコンビを継続。京都牝馬S(G3)、阪神牝馬S(G2)と重賞3連勝を達成すると、ヴィクトリアマイル(G1)では勝ったアーモンドアイに離されはしたものの2着に入るなど、同騎手とのコンビで一気に大躍進を遂げている。

 一方の武豊騎手とカテドラルは、大敗した京都金杯を最後にコンビ解消。その後も大味な結果が続いていたが、今年は5戦して4連対と堅実さを見せている。9月に行われた京成杯オータムH(G3)では見事に重賞初制覇を達成。サウンドキアラと同じくマイルCSを鞍上・戸崎圭太騎手で予定している。

 見事に出世を果たした同馬が、今度は武豊騎手の前に立ちはだかろうとしているのだから、運命というのは何とも皮肉なものである。因縁の戦いの火蓋が切られるまでもうしばらく待ちたい。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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