JRA【エリザベス女王杯(G1)予想】レイパパレ&アカイトリノムスメではない「強力なもう1頭」から3点勝負! 激走を予感させる穴馬の存在で波乱の1戦になるか!?

 今回は中休みを挟んでの8週連続G1開幕を飾るエリザベス女王杯(G1)を予想したいと思う。

 その中休みの先週、アルゼンチン共和国杯は完敗というか、ハンデ戦にもかかわらず上位人気馬の決着でなんともはや。オーソリティは本当に強いのかもしれない。が、C.ルメール騎手が上手く乗ったとも言える。ルメール騎手には、してやられてばかりだ。恨みがあって切っているわけでもないのだが、切れば必ず来るのは競馬あるあるだろうか。

さて、予想に戻ろう。いつも通り、まずは過去10年馬券に絡んだ30頭の前走データを挙げてみる。
府中牝馬S 13頭
秋華賞 6頭
オールカマー 3頭
札幌記念 2頭
宝塚記念、ヴィクトリアマイル、オークス 各1頭
条件特別 1頭
平場2勝クラス 1頭
外国馬 1頭
となっている。府中牝馬Sからの転戦が圧倒的に多く、実は馬券に絡まなかったのは15年の1回だけ。高確率で来るローテーションと言えよう。秋華賞からの3歳馬の挑戦も多いが、連勝を飾ったのは13年のメイショウマンボ1頭のみ。オークスからの直行で馬券に絡んだのは、先週に歴史的偉業を成し遂げたラヴズオンリーユーだ。

次に人気順の成績を見てみよう。
1番人気 2-3-2-3
2番人気 1-1-1-7
3番人気 4-0-2-4
4~6番人気 2-2-5-21
7~9番人気 1-3-0-26
10番人気以下 0-1-0-83
1番人気はそれなりだが、それより注目したいのは3番人気の4勝。次いで4~6番人気の好走も目立つ。逆に信用しにくいのは2番人気か。過去5年に絞っても1番人気【1-0-2-2】、2番人気【0-0-1-4】、3番人気【3-0-2-0】と3番人気に偏った実績を示している。

 これを踏まえて「◎」は9番ウインマリリンとする。

 ローテーション的にはそれなりに実績があるオールカマーからの参戦で、前走は完勝とも言うべき強い勝ち方をした。

 本馬は3歳時にも今年と同じく阪神コース開催のこのレースに参戦し、僅差の4着と好勝負を演じている。2200mに特別強いという成績ではないが、勝ち鞍は2000~2500mと中長距離に集中しているので、距離適性があるのだろう。前走は休み明け+14kgと過去最高体重での出走だったが、それでも上がり最速で勝ちきるあたり、充実期に入っているのだろう。

 中間でアクシデントもあって横山武史騎手の不安な発言は気になるが、陣営からは「状態面での不安はない」とのこと。2強ムードが漂う今回だが、割って入るならこの馬だろう。

アカイトリノムスメ 撮影:Ruriko.I

 続いての「○」はその2強の1頭、3番アカイトリノムスメを指名する。

 前走は母子制覇となった秋華賞で強い勝ち方をした。大本命のソダシにアクシデントがあって、多少恵まれた感もなくはないが、戦績を見れば桜花賞4着、オークス2着と安定している。ナンバー2と目されていたサトノレイナスがリタイアしていることもあるが、少なくとも世代トップクラスの実力の持ち主なのは確かだ。

 秋華賞・エリザベス女王杯連覇は上述の通り、13年のメイショウマンボしかいないが、こと馬券に絡むとなれば実績のあるローテーションではある。

 陣営からも11年前に同じローテーションで取りこぼした母アパパネと異なり、距離が延びた方がいいというコメントも出ている。実際、桜花賞までは一貫してマイル戦ばかりを使われてきたが、桜花賞4着のあとにオークスは僅差の2着になるなど、陣営の距離適性の評価は確かなものを感じる。

 母に劣らぬ名牝への道を歩む一歩として、このレースは重要な一戦となるはず。勝ち負けは確実とみている。

「▲」は6番ランブリングアレーを推す。

 前走は「◎」の勝ったオールカマー。今回のメンバーはオールカマーからの転戦組が多いが、そのうちの1頭。着順自体は7着と褒められたものではないが、着差は勝ち馬から0.6秒差と大負けしているわけではない。また、牝馬限定重賞だけで言うなら5戦して着外はターコイズS(G3)の7着だけで、残りの4戦はすべて馬券に絡んでいる。

 陣営からは距離に関して不安があるようで、鞍上に期待をかけたいというようなコメントが出ているが、今回は5戦2勝2着2回と確かに手が合う吉田隼人騎手に手綱が戻る。距離面で言えば前走が2200m初体験となったわけだが、2000mまでなら良績が残っているので、残り1ハロンも陣営の期待通り何とか乗りこなすのではないか。

 牝馬限定重賞なら実力を十全に発揮している戦績を残しているだけに、前々走のヴィクトリアマイル(G1)を人気薄で2着したように一発があってもおかしくはない。

「△」には11番ソフトフルートと15番ウインキートスを挙げる。

 ソフトフルートはローテーションで言えば実績がないので切りなのだが、前走は昨年新設されたばかりのオープン特別。ローテーションのデータで挙がらないのも仕方のないところだ。

 距離適性で言うなら2000m以上に良績が残っており、昨年は秋華賞3着のあとに本レースにも出走して6着と健闘している。同距離かつ牝馬限定戦の前走で2着に好走しているのも後押しできる材料となろう。

 ウインキートスは前走オールカマー組の1頭。昨年春以降2400m前後を集中して使われている上に、斤量に恵まれたとはいえ目黒記念(G2)を制した実績は侮れない。オールカマーで2着しているのも実績通りと言っていいはずだ。牝馬限定戦となる今回はある意味前走より楽なメンバーになっているだけに、この馬もチェックしておきたい。

 1番レイパパレだが、前走は休み明けだった上に過去最高体重で出走しているので、その分は多少甘く見てもいいだろう。前々走は同距離同コースの宝塚記念(G1)で3着しているので、その点も悪くはない。

 陣営は2戦連続で負けている2200mということで、距離適性について不安を持っているようである。適性距離でないことは間違いない。前2走のように牡牝混合戦ではなく、牝馬限定戦になって多少は相手関係が楽になるかもしれないが、それでも正直なところ勝ち負けまではないだろうという判断で敢えての「切り」とする。

 ただし、陣営からはルメール騎手への乗り替わりで持たせてしまうだろう、と期待値込みの発言も出ている。確かに今秋のG1は4レースを消化しているが、そのすべてでルメール騎手が馬券に絡んでいるという事実がある。そこから考えると、距離不安のあるレイパパレを馬券圏内に持ってきてしまう可能性は捨てきれない。切ってはしまうが、来てもおかしくない、来たら仕方がない、といったところか。

 ということで、今回は3番、6番、9番、11番、15番の5頭から3番・9番の軸2頭流し三連複3点勝負としたい。上位人気の馬も指名しているので、配当は期待しづらいところはあるが、ソフトフルートの激走があれば、高配当に期待できる。

(文=トーラス神田)

<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。

 

関連記事

競馬最新記事

人気記事ランキング 11:30更新

競馬

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS