JRA武豊、東京スポーツ杯2歳S(G2)に本命候補の「真打」登場!? 超ハイレベル2歳馬が1番時計で猛アピール
先週7日(日)に阪神競馬場で行われたみやこS(G3)で、1番人気のクリンチャーに騎乗した武豊騎手。結果は6着と人気を裏切るなど、今年の古馬重賞戦線では苦戦傾向が続いている。
しかし、2歳戦に限ってみれば状況は一変。有力なお手馬が多数いる状況で、暮れの2歳G1にどの馬で臨むのか注目が集まっている。
キーファーズ所有で野路菊Sを勝ち2戦2勝のロンやアイビーS(L)を勝ったドウデュース、『ウマ娘』でお馴染み藤田晋オーナー所有で前走ききょうSを勝ったドーブネ、池江泰寿厩舎のディープインパクト産駒で次走京都2歳S(G3)を予定のトゥデイイズザデイなど有力馬がズラリと並ぶ。
そんな武豊騎手が期待を寄せる馬がいる。20日(土)に東京競馬場で行われる東京スポーツ杯2歳S(G2)へ出走予定のアルナシーム(牡2、栗東・橋口慎介厩舎)だ。叔父に今年のダービー馬シャフリヤールや2017年の皐月賞馬アルアインがいる血統で、クラシックへの期待も高まっている。
同馬は7月の函館でデビューし、小柄ながらも非凡な瞬発力で函館の新馬戦を圧勝。鞍上の武豊騎手も「走るね」と評価しており、早くもモーリス産駒の最高傑作との呼び声も高い。
10日の1週前追い切りでは武豊騎手が跨り、栗東CWで79秒5-12秒4と破格の時計をマークした。併せた古馬2勝クラスのココナッツスルーを追走して1秒以上先着という内容も然ることながら、2歳馬ながらこの日の1番時計を記録。もともとデビュー前から調教は動く馬だが、橋口調教師も「頭を上げずに走れていたし、体の使い方が良くなっている」と成長を感じているようだ。
さらに、デビュー時は418キロと小柄だった馬体も現時点で440キロまで成長。夏を越して馬体も一回り大きくなり、新馬以来の復帰戦を東京スポーツ杯2歳Sに見据えている。
コントレイル、ワグネリアン、イスラボニータなど、多くの勝ち馬が後にG1馬となったまさに出世レース。イクイノックス、レッドベルアーム、ダンテスビューなど決して楽ではない好メンバーが揃ったが、素質では見劣りはしないアルナシームが強豪をまとめて差し切るシーンがみられるか。来年のクラシック戦線に向けても重要な一戦となりそうだ。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?