JRA 珍客ヨシオ「まさかの有馬記念(G1)」へ不気味すぎる再始動!? アイドルオーディション1位の根強い人気と、気になるグランプリの「空席」
12日、中山競馬場で行われるダート短距離重賞、カペラS(G3)。
5月の栗東S(L)で10着に敗れて以来、休養に入っていたヨシオ(牡8歳、栗東・森秀行厩舎)が、約7ヶ月ぶりに再始動する。
同馬は昨年11月、アーモンドアイやコントレイル、デアリングタクトら強豪が揃い「世紀の一戦」と呼ばれたジャパンC(G1)へ挑戦。レースでは最下位の15着に敗れたが、『netkeiba.com』の想定オッズでは上記の馬たちを抑え一時的に1番人気に支持されるなど、何かと話題を集めた。
年明けの2021年は障害レースを3走した後、再び平地に戻り2戦を消化。その後は6月の宝塚記念(G1)出走に向けて調整されていたが、疲労が取れないとのことで同レースを回避して休養に入っていた。
今回のカペラSが行われる中山ダート1200mの舞台は、昨年1月のジャニュアリーS(OP)で勝利を収めている。これまで7走して5着以内に4回入っており、決して相性の悪いコースではないようだ。
ただ、同レースは創設された2008年以降、7歳以上の馬による勝利はなく、連対も17年のスノードラゴン1例しかない。8歳馬であるヨシオは今回、休み明けでフレッシュな状態とはいえ、苦戦が強いられることが予想されている。
ただ、同馬へファンが期待しているのは今週のカペラSも然ることながら、再来週26日に開催されるグランプリ・有馬記念(G1)への参戦なのかもしれない。
有馬記念は12年以降、毎年フルゲート16頭で行われているが、今年は各紙の想定で14頭とフルゲート割れになることが予想されている。
現段階の想定でヨシオの名はないものの、先日発表された有馬記念ファン投票の最終結果では44位の6417票。これは4847票で51位だった昨年を上回っており、今週末に香港マイル(G1)出走を予定しているサリオスや、18年ダービー馬のワグネリアンを上回る投票数とその人気ぶりは異例だ。
まさかの有馬記念出走を期待するファンも少なくないのかもしれない。
そもそもヨシオの人気は折り紙付きである。今夏に行われた『京都競馬場アイドルホースオーディション』という企画では見事に1位を獲得。ぬいぐるみ化も果たした。
なお、このとき2位だったメロディーレーンと3位のキセキは、共に有馬記念への出走を予定している。ここにヨシオが加わって人気上位3頭が揃って同レースに出走するようなことになれば、大いに話題を集めることにもなるだろう。
人気馬としての地位を築きつつあるヨシオ。重賞未勝利のため賞金順になると出走は厳しいかもしれないが、フルゲートが割れれば確実に出走することが可能だ。
「もしカペラSから有馬記念への参戦となると、中1週での競馬となりますが、ヨシオは昨年ジャパンC(G1)からチャンピオンズC(G1)という異例の連闘をこなしています。
また、これまで75戦を戦い抜いているタフガイ。ローテーション的には異例中の異例ですが、決して不可能ではないだけに不気味ですね」(競馬誌ライター)
ちなみにSNSやネットの掲示板にも、「ヨシオが帰ってきた」「カペラSを叩いて有馬へ」といった、同馬のカムバックや有馬記念への参戦を期待するコメントが多く集まっていた。カペラSの結果にかかわらず、今後の動向に注目が集まりそうである。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。