JRA 嬉しい有馬記念(G1)初参戦前日に「アカイイト」切断被害!? C.ルメールが「28年目の鉄人」から無情な“強奪”?

 26日に中山競馬場で行われる有馬記念(G1)は、日本ダービー(G1)やジャパンC(G1)と並ぶ、日本競馬の一大レースだ。

 アリストテレスに騎乗する武豊騎手は自身のオフィシャルサイトで「たとえ16番人気の馬であっても、騎手として毎年参加していたい特別な競馬です」と記しており、騎乗できるだけでも光栄というのが分かる。

 それだけに若手のうちに有馬記念を経験することは、今後の糧となるかもしれない。今年は横山武史騎手や岩田望来騎手など20代騎手が4名騎乗予定。大レース騎乗のプレッシャーをエネルギーに変えることができるか注目したい。

 一方、デビュー28年目で初めて有馬記念に騎乗するジョッキーもいる。その人物が幸英明騎手なのは驚きだろう。

 幸騎手は1994年デビュー以来、JRAで通算1547勝を積み重ねてきた。12年には年間最多騎乗記録を更新するなど「鉄人」の印象が強い。「28年目で初めて」と聞くと、乗り鞍に恵まれないベテランを想像してしまうが、それが人一倍乗り鞍豊富な騎手なのだから不思議なものである。

 そんな「鉄人」を暮れのグランプリ初騎乗へ引き寄せたのが、アカイイト(牝4歳、栗東・中竹和也厩舎)だ。先月のエリザベス女王杯(G1)では、10番人気ながら豪快に前を飲み込んでG1初勝利を決めた。

 アカイイトとの有馬記念参戦に対し幸騎手は『スポーツニッポン』のインタビューで「初参戦は素直に嬉しいです」と、意気込みを語っている。

 しかし、初参戦の喜びに浸るのも束の間。お手馬アカイイトが有馬記念初騎乗を導いてくれた一方で、別のお手馬との“アカイイト”が切れてしまう事態が発生してしまったようだ。

 そのお手馬とは、有馬記念の前日の阪神C(G2)へ出走予定のルークズネスト(牡3歳、栗東・浜田多実雄厩舎)だ。

 昨年の9月に中京でデビューした同馬は、これまで全て幸騎手が騎乗して走ってきた。3戦目で未勝利を突破すると、4戦目に挑んだシンザン記念(G3)で後のG1馬ピクシーナイトに次ぐ2着へ好走した。そして、約2ヶ月の間隔を経て出走したファルコンS(G3)で、阪神Cでも顔を合わせるグレナディアガーズを下して重賞初勝利を遂げている。

 NHKマイルC(G1)10着と大敗後は、夏場の休養を経て9月末に復帰。復帰後2戦は2着・4着と古馬相手でも通用する力を見せている。特に4着だった前走のスワンS(G2)は3コーナーで前がゴチャつく不利が無ければ勝ち負けに持ち込めた脚色だっただけに、デビューからコンビを組み続けている幸騎手もリベンジを目論んでいたことだろう。

C.ルメール騎手

 だが、無情にも今回ルークズネストはC.ルメール騎手へ乗り替わることとなった。

 アカイイトとの嬉しい有馬記念初参戦の前日に、ルークズネストとの「アカイイト」が切れてしまうのは残念な話だが、果たして幸騎手は悔しさをバネにグランプリで結果を残すことができるだろうか。「28年目の鉄人」の底力に期待したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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