元JRA 安藤勝己氏「目を引いた」ホープフルS(G1)着外馬にまさかのゾッコン!? レース前から期待していた名手のお気に入り

 28日、中山競馬場で行われたホープフルS(G1)は横山武史騎手の2番人気キラーアビリティが優勝。折り合いに不安のあるタイプだったが、テン乗りながら先行させて折り合わせた横山武騎手の巧みな技術が光った。

 元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のTwitterにて「想像以上に完璧な競馬した。まあタケシが乗れとるわ」と、絶賛した。

 安藤氏のTwitterといえば、レース回顧は重賞レースでは定番で、毎回ジョッキー目線の鋭い切り口でファンに自身の見解を披露している。また、勝ち馬以外にも2・3着馬や凡走した人気馬についても触れてくれることでも人気だ。

 今回1番人気で12着に敗れたコマンドラインについては、ファンからの質問を引用リツイートで別途回答しているが、先述のツイートで優勝馬以外に触れたのは、アケルナルスター(牡2歳、美浦・清水英克厩舎)ただ1頭だ。

 本馬は前走の東京芝2000mの未勝利戦を追い込み勝ちして、暮れの2歳G1へ。だが、近親に良血馬がいるわけでもなく、前走の走破時計も特段速くもないため、当日は15頭中12番人気とほぼノーマークに近かった。

 だが、安藤氏は『競馬ラボ』にて公開している自身のホープフルS予想で、本馬を穴馬に指名。「オレがオーナーと懇意にしとるのもあるんやが」と、踏まえつつ「(前走の)あの勝ち方は能力を秘めていないとできない。展開がかみ合って中山2000mをこなせば圏内突入があって驚けん」と、高い評価を下していた。

 安藤氏期待の穴馬は、行き脚がつかず後方2番手からの競馬に。直線では内に切り込み、メンバー上がり最速の末脚を伸ばすも上位には届かず7着に敗れた。

 一見すると、流れ込んできたようなレース内容だったが、安藤氏は「自在性あるタイプが上位を占めた中で、目を引いた」と、2・3着馬などを差し置いてアケルナルスターを絶賛。「捌けとれば掲示板あった」と、展開が合わなかったことを悔やんでいた。

「アケルナルスター惜しかったですね。私も穴で狙っていたんですよ。まさか安藤氏と被るとは……。そして、次走も狙おうと思ったのですが、安藤氏にここまで言われてしまうと、次走では人気になってしまいますかね。

そんなことはさておき、見所のあるレース内容だったことは確かだと思います。直線は内に入れた分、やはり追い出しがワンテンポ遅れてしまいましたね。それさえ無ければ更に上位との差は無かったと思います。

何より清水英師がレース前に『怖がりなので馬込みに入れない』と、懸念していましたが、最後は馬群を捌いてしっかり脚を使っています。精神面でも進境が見られ、今後が楽しみな馬ですよ」(競馬誌ライター)

 レース当日の中山競馬場は先行馬が上位を占めるレースが多く、ホープフルSもその1つだった。強力メンバー相手に不利な展開のなか、脚を伸ばし掲示板に等しい7着を確保できたのは大きいはず。少々飛躍しすぎだが、直線の長い東京競馬場で行われる日本ダービー(G1)などに出てくることになれば、面白い1頭になるかもしれない。

 馬名の由来の「アケルナル」はエリダヌス座の1等星だ。次走こそ由来のごとく1等目がけて、自慢の末脚を存分に発揮してくれることに期待したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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