JRA 和田竜二に「アクシデント」が立て続けに発生!? 新年早々「確勝級」1番人気連続騎乗で起こった不運

和田竜二騎手 撮影:Ruriko.I

 5日から2022年の中央競馬が開幕。東の1番星は横山琉人騎手のニシノアナが、西の1番星は松山弘平騎手のロードジャスティスがそれぞれ掴んだ。

 新年最初のレースを勝利で飾ったことについて横山琉騎手は「新年一発目、勝ててよかったです」と、松山騎手は「新年一発目を勝ててうれしく思います」と、お互い喜びのコメントを発した。

「出だしが肝心」という言葉があるように、どの物事も最初が大切で大事にしていきたいところだ。厳しい勝負の世界に身を投じている騎手であれば、我々以上に「始め」に重きを置いているのかも。そうであれば、横山琉騎手と松山騎手は最高のスタートを切ったことになる。

 一方、両騎手と対照的に悪いスタートを切ってしまったのが、和田竜二騎手だろう。

 和田竜騎手は中京1Rで1番人気のメイショウカゲカツ(牡3歳、栗東・西園正都厩舎)に騎乗。本馬はデビュー2戦で3着・2着と惜しいレースが続いており、3戦目の今回こそ勝てると多くのファンが予想したことで、単勝1.7倍と圧倒的な支持を集めていた。

 オッズはファンが作るものとはいえ、相手の半数以上が馬券圏内に入ったことがない、いわばメイショウカゲカツにとって手頃な相手。対抗格のロードジャスティスは本馬同様ダートで結果を残しているが、今回が3ヶ月の休養明けで調教師が「少し太い気がする」と、話すように状態面に不安があった。それゆえ、今年の関西圏の中央競馬はメイショウカゲカツと和田竜騎手にとっても大きなチャンスだった。

 だが、大方の予想に反して、メイショウカゲカツは首位から2秒以上離される4着に敗れた。スタートで大きく躓くロスがあり、道中動いて挽回を狙ったが直線で失速。思わぬ躓きによる出遅れが敗因といえるだろう。

 確勝級の馬をハプニングで着外に飛ばす格好となった和田竜騎手だが、いつまでも引きずってはいられない。通算48勝の重賞勝利を誇る関西の人気ジョッキーは、続く2Rでこちらも断トツ1番人気のナムラフランク(牡3歳、栗東・鈴木孝志厩舎)に騎乗した。

 奇しくも本馬もメイショウカゲカツ同様に、デビューから3着・2着と惜しい内容が続いていた。勝ち味に遅いタイプともいえるが、スタートセンスがあり、持ち時計もメンバートップ。ゲートさえまともに出れば、勝利は目前と判断したファンによって、単勝1.6倍の高い支持を集めることになる。

 和田竜騎手にとっては、今度こそ初勝利を挙げるとともに、1Rのリベンジを果たす願ってもないチャンスのはず。

 しかし、またもやアクシデントに見舞われる。

「隣の馬が暴れて、それにヒルんで座り込んでしまっただけに……」

 ナムラフランクが怯んだ瞬間にゲートが開かれたため、スタートでアオる形になり後手を踏んでしまう。何とか二の脚の速さで3番手こそ確保したが、序盤に脚を使った影響か直線では一緒に先行した馬たちに見る見る離されてしまい……。結果的に1着から2秒近く遅れる5着に敗れ、またもや1番人気の支持に応えることに失敗してしまった。

 自身の判断ミスで新年開幕から人気馬で連敗したならまだしも、今回はどちらも不運な形での連敗。和田竜騎手としては、先行きが怪しくなる最悪のスタートとなったかもしれない。昨年末の有馬記念(G1)でディープボンドを僅差の2着に持ってきたツキが、まだ残っていることを祈りたい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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