JRA「あまり馬鹿にしないでよ」ライラックでフェアリーS(G3)制覇、「絶好調」調教師が放つ“三本の矢”は2桁人気必至も大駆けムード!?

 今年の中央競馬は、5日の東西金杯を皮切りに開催4日間を終えた。

 今週末(15~16日)には重賞3レースが予定されているが、その全てに管理馬を送り込む調教師がいる。現在、美浦の調教師では単独トップの3勝を挙げる相沢郁師だ。

 5日の中山1RでJRA今年最初のレースで勝利するなど2戦2勝と幸先いいスタートを切ると、10日には管理馬のライラック(牝3歳)がフェアリーS(G3)を快勝。厩舎にとって2年5か月ぶりという重賞制覇を飾った。

 昨年は僅か10勝という低調な成績に終わったが、今年は2週目を終えて早くも3勝。まさにV字回復と言っていいだろう。その勢いも手伝って、今週末の重賞3レースでも大暴れの予感を漂わせている。

 まず15日(土)に中京競馬場で行われる愛知杯(G3)に送り込むのは、ライラックと同じオルフェーヴル産駒のスライリー(牝4歳)だ。

 14日時点、『netkeiba.com』の予想オッズで11番人気という伏兵だが、人気がないのはいつものこと。デビューから10戦して2勝し、2着が1回あるが、他は秋華賞(G1)の5着が目立つ程度。負けるときはあっさり、というのがこの馬の特徴である。

 3度ある連対時の人気は5番人気、8番人気、14番人気。好走パターンが非常に読みづらい馬といえるだろう。今回は52kgの軽量ハンデを味方に4度目の激走に期待したい。デビューから乗り続けている石川裕紀人騎手の手綱さばきにも注目だ。

 16日(日)の中京メイン、日経新春杯(G2)には14番人気に予想されているプレシャスブルー(牡8歳)が出走する。

 明けて8歳、キャリア41戦目にしてこれが初めてのG2挑戦となる。ちょうど2年前(20年1月)にオープン昇級を果たして以降は、リステッド競走とローカルのハンデG3を中心に使われてきた。

 昇級後の2年間は勝利こそないが、「0-2-2-7」とまずまずの確率で馬券に絡んでいる。3着内に入った4度は14番人気、11番人気、13番人気、5番人気という人気薄での激走である。

 ただし好走パターンは難しくなく、今回タッグを組む勝浦正樹騎手が騎乗した時が狙い目だ。これまで4度の騎乗で、「0-3-1-0」と、すべて馬券に絡んでいる。斤量55kgはやや見込まれた印象があるが、無欲の騎乗で自慢の末脚を炸裂させたい。

 最後は日曜中山のメイン、京成杯(G3)に送り込むテラフォーミング(牡3歳)だ。

 こちらも13番人気に予想されている伏兵で、距離ロス必至の大外16番枠に入ってしまったことで、さらに人気を下げそうだ。

 デビューは昨年10月の東京で、7番人気ながら2番手から早めに押し切る強い競馬で勝ち上がった。続く2戦目は強豪ひしめく東京スポーツ杯2歳S(G2)に挑んだが、勝ったイクイノックスから1秒6差の9着に終わった。今回ライバルになるであろうテンダンスにも1秒1差をつけられたが、見限るのは早計だ。

 最終追い切り後の『スポニチ』の取材に対し、相沢師は「凄くいいよ。絶好調。(前走の敗戦だけで)あまり馬鹿にしないでよ」と状態の良さをアピール。スライリーやプレシャスブルーと同じく人気薄だからと馬鹿にすると痛い目に遭うかもしれない。

 牝馬クラシック路線のライラックに続き、テラフォーミングが牡馬クラシック路線に名乗りを上げられるか。絶好調調教師が放つ三本の矢の行方やいかに。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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