JRA 武豊が大絶賛の「8冠ベビー」が遂にデビューも……大ショックのアクシデント発生!? 忍び寄る「復帰間近」福永祐一の影
水曜日は大井、土日は東京と今週は何かと関東圏での活動が目立つ武豊騎手。残念ながら26日のTCK女王盃(G3)でのリネンファッションは9着に終わったが、落ち込んではいられないだろう。
29日はデビュー戦で手放しに絶賛したジュタロウをはじめ、懇意にする『Cyber Agent』の藤田晋代表が所有するデュガ、昨年のクラシックを共にしたディープモンスターが控えている。3頭とも1番人気候補の期待馬であるため、上手くいけば全勝もあり得る豪華ラインナップだ。
さらに、翌30日は根岸S(G3)でヘリオスに騎乗する。26日の最終追い切りに騎乗した武騎手は自身のオフィシャルサイト内で「動きの良さとともに、操縦性の良さを感じました」と、初騎乗の同馬を高く評価。「相手は揃いましたがチャンスと思って乗せてもらいます」と、根岸S初勝利を意気込んでいる。
そしてもう1頭、武騎手が絶賛している馬がいる。デビューを控える新馬ブラックノワール(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)だ。
父はキタサンブラック、母ブラックエンブレム。G1・7勝馬と秋華賞(G1)優勝馬の間に生まれた「8冠ベビー」である。名前も両親の共通名である「ブラック」を強く連想させるものとなっており、後半の「ノワール」もフランス語で「黒」の意味をもつ。
一頓挫あった影響で、デビューがここまで遅れたが、中間の追い切りでは「8冠ベビー」の称号に相応しい軽快な動きを連発。
特に武騎手を背に行われた26日の追い切りでは、栗東CWで7ハロン82.1秒、ラスト1ハロン11.8秒と好時計をマーク。武騎手も同サイトで「稽古の動きも良くなってきています」と、太鼓判を押している。
「武豊騎手がオフィシャルサイトでデビュー前の馬に触れられることは、あまり無いですからね。ジュタロウやディープモンスターが週末に控えているなか、それら実力馬を差し置いてブラックノワールに触れるのは、それだけ期待している表れではないでしょうか。
武騎手は19日の追い切りにも騎乗していますから、本当に良い馬と思っているんでしょうね。
また、ブラックエンブレムの産駒は活躍馬が多いのが特徴です。ブライトエンブレム・ウィクトーリアといった重賞勝ち馬もいます。私も活躍できると秘かに期待しています」(競馬記者)
しかし、そんなブラックノワール陣営をアクシデントが襲う。30日の東京6Rの新馬戦(芝1800m)でデビュー予定だったが、無念の除外……。16頭の出走枠に対し登録馬は20頭だったが、不運にも当選倍率1.25倍の抽選に落ちてしまった。
「うーん……まさかの事態ですが、こればかりは仕方ないですね。ただ、こうなると武騎手は乗れない可能性が出てきました。予定通りであれば、来週から福永祐一騎手が復帰します。福永騎手はシャフリヤールをはじめ、藤原英厩舎の有力馬に何度も騎乗するなど関係が強いことで有名です。
一方の武騎手は、それほど関係が深くないんですよね。昨年も札幌2歳S(G3)2着のアスクワイルドモア以外、藤原英厩舎の管理馬へ乗っていません。
来週へスライドとなると、武豊騎手の騎乗予定によってはブラックノワールの鞍上が福永騎手にスイッチするなんてことも……」(別の記者)
武騎手としては追い切りに乗るなどして、大切にしていた馬だけに乗り替わりは避けたいはずだ。何とか武騎手を背に、ブラックノワールが無事デビューすることを期待したい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……