JRA【皐月賞(G1)予想】ダノンベルーガ&イクイノックスは「歴史の壁」に沈む!? 意外なデータから浮かび上がった特選穴馬を狙い撃ち!
今回は牡馬クラシック1冠目、皐月賞(G1)を予想していく。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
弥生賞、共同通信杯 各7頭
スプリングS 6頭
若葉S(L) 3頭
ホープフルS 2頭
朝日杯FS、京成杯、きさらぎ賞、アーリントンC、毎日杯 各1頭
となっている。さすがにクラシックということもあって、ほぼ全馬が前走重賞。若葉Sはリステッドではあるがトライアルレースなので、ここを経由してくる馬がいるのも当然と言えば当然。その昔は日本ダービー(G1)に直結していた共同通信杯組が、皐月賞で好成績を収めているのも時代の流れか。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 3-1-1-5
2番人気 2-3-0-5
3番人気 1-2-3-4
4~6番人気 1-2-2-25
7~9番人気 3-2-3-22
10番人気以下 0-0-1-82
となっている。印象より1番人気の成績が思わしくない。2番人気と五分五分といったところで、近5年でも1番人気は2勝、3番人気が2着、3着1回ずつ、2番人気1勝と上位人気がそれほどアテにならない。上位人気がすべて飛んだ17年は3連単106万馬券、18年は37万馬券と荒れており、7~9番人気の中穴以上の馬を吟味する必要があるだろう。
これを踏まえて「◎」は14番ジオグリフとする。
前走は共同通信杯(G3)。前がしぶとく残った流れで、逃げ馬を交わしたところで勝ち馬に交わされ2着に敗れている。
前述の通り共同通信杯からの転戦馬はもっとも多く、かつ過去10年で5勝と好相性を見せている。2着からの本番勝利は15年の二冠馬ドゥラメンテが相当するが、ジオグリフも朝日杯FS(G1)こそマイル戦になったが、それ以外は一貫して1800m戦を使ってきたあたり、ドゥラメンテと臨戦過程がよく似ている。加えて、福永祐一騎手が皐月賞と好相性なのも買い要素だ。10年で4回馬券に絡んでおり、一昨年の三冠馬コントレイルでの勝利がある。
その福永騎手が好感触を掴み、状態の良さを陣営がアピールしていることも心強い。前哨戦の勝ち馬や勝負付けが済んでいない直行組に人気が集まり、実績の割に人気を落としているここが狙い目だ。勝ち負けまである1頭として押さえる。
「○」は13番ビーアストニッシドを挙げる。
前走はスプリングS(G2)。最内枠を利して逃げを打ち、マイペースの流れを作ってそのまま押し切って勝利した。
近5年でスプリングSからの転戦馬は2頭馬券に絡んでおり、まずまずの成績を残しているのがポイント。重賞で大崩れしていないところも強調したい。
未勝利を勝ち上がって京都2歳S(G3)を2着し、3歳初戦のシンザン記念(G3)を4着、共同通信杯を3着と好走を重ねたところでの前走の勝利ということで、実力は世代でも上位。ただ、昨年10月の新馬戦から休みなく使われているので、それがどう出るか懸念される。陣営もここを問題にしており、上がり目が少ないと弱気のコメントだった。
だが、桜花賞(G1)を勝ったスターズオンアースも新馬戦から休みなく使われての戴冠だったので、案外こういう馬の方が走る傾向にある可能性もある。実績の割に人気がなさそうなので、馬券妙味という意味でも押さえたい1頭だ。
「▲」は穴馬になりそうだが7番ボーンディスウェイを推す。
前走は弥生賞(G2)。前で粘る勝ち馬を追いかけるも届かずの3着だった。
2歳シーズンをホープフルS(G1)5着で終え、始動戦の前走でしっかり出走権を確保したというところ。4戦続けて中山2000mを使っており、2勝のほか重賞でも好走しているなど、このコースとの相性は抜群。陣営も万全のデキと太鼓判を捺している。
さらに後押しするデータとして、4枠7番が5年連続で馬券になっていること。もっと言うと過去10年で4枠に入った7頭の馬が馬券に絡んでいるが、その7頭がすべて4枠7番という共通点がある。オカルトチックでもあるが、無視できないデータということで、実績も推せるだけのものがある以上押さえない手はない。
「△」はG1馬2頭の4番キラーアビリティと12番ドウデュース、弥生賞を勝った2番アスクビクターモアの3頭。
アスクビクターモアは前走・弥生賞で、終始番手から前を見る競馬で直線脱け出し、後続をシャットアウトして勝利した。
3歳初戦は自己条件で、中山2000mを完勝。続く弥生賞も連勝してここに臨んできたのだが、キャリア5戦で3勝3着2回と堅実な走りを見せる隠れた実力派。ローテーション的にも買い要素アリなのだが、弥生賞の勝ち馬が本番で好走していないのが引っかかる。
過去10年で3頭しかおらず、3頭とも2着までということで実績はあれど評価は下げざるを得ない。
キラーアビリティは前走ホープフルSで3番手から抜け出す横綱相撲で勝利を挙げている。
ローテーション的には問題なし。実績も重賞勝ちはこの1勝のみではあるが、まがりなりにもG1なので文句の付けようはなかろう。唯一の懸念点は鞍上で高松宮記念、大阪杯、桜花賞とG1 3連戦の1番人気をすべて飛ばした横山武史騎手だ。
まして、その1番人気になったレシステンシア、エフフォーリア、ナミュールの3頭がいずれもキャロットファームの所有馬。そしてキラーアビリティもまたキャロットファームの持ち馬。実力馬であっても今の横山武騎手は流れが向いていないので、また飛ばす可能性はある。だが、今回は鞍上が得意とする中山、印を下げて押さえたい。
ドウデュースは前走・弥生賞で、前を行くアスクビクターモアを捉えきれずの2着。
こちらはレース後の武豊騎手のコメントにもあった通り、明らかに叩きのつもりで使ったレース。ある程度余裕を残した仕上げだったはずで、ここでは日本ダービー(G1)へ向けてお釣りを残す仕上げにするかもしれないが、ほぼメイチに近いはず。
こちらもG1馬であり、弥生賞もG1馬らしく連対を果たしているうえ、ローテーションは文句なし。人気確実だが、キラーアビリティ以上に切り要素がないので押さえておく。
切り候補としては、まず1番ダノンベルーガ。共同通信杯の勝ち馬は本番でも好走することが多いのだが、キャリア2戦が引っかかる。グレード制導入以降、キャリア2戦以下の馬は1993年のシクレノンシェリフの3着があるだけで、以降好走歴がない。
舞台は違うが、1996年のダービーをキャリア2戦で勝利したフサイチコンコルドも「常識を塗り替えた」と実況に言わしめたほど。キャリア2戦でクラシックを好走するのは容易ではないはずだ。
同じ理由で評判馬の1頭である18番イクイノックスも買えない。こちらはさらに2歳G2から5カ月休養での臨戦で、前例がない。鞍上のC.ルメール騎手の不振も懸念材料だ。
トライアル若葉S(L)を制して無敗で臨んできた16番デシエルトだが、若葉S組に好走歴はあるものの、この馬に重賞出走経験がないのが引っかかる。この馬以外の全馬に重賞出走歴がある以上、この中に入っては苦戦を免れまい。
ということで、今回は2番、4番、7番、12番、13番、14番の6頭で3連複BOX20点勝負としたい。
「△」の3頭で決まると配当に期待はできないが、印通りに来れば高配当も見えてくる。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。