JRA【フローラS(G2)展望】桜花賞6着馬VS遅れてきた大物候補! 素質一級品ラスール「ルージュ軍団」2頭など近年屈指のハイレベル!
24日、東京競馬場ではオークストライアルのフローラS(G2)が行われる。2枚の“切符”をめぐる一戦を早速展望していこう。
抽選で滑り込み出走を果たした桜花賞(G1)で、17番人気の低評価を覆し、6着に好走したパーソナルハイ(牝3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が中心か。
逃げるとみられた前走はスタートで行き脚がつかず、中団からの競馬となった。直線を向いて手応え良く伸びかけたが、内にいたピンハイと接触すると、外に弾き飛ばされる大きな不利を受けた。その後もゴール前まで何度か接触を繰り返し、結果は6着で惜しくもオークス(G1)への優先出走権を逃した。
改めてオークスの権利獲りに挑む今回は、前走から2ハロンの距離延長。これはパーソナルハイにとって大きなプラスとなりそうだ。この距離では未勝利戦で2度走っているが、キラーアビリティの2着と4馬身差の勝利がある。
一方、ローテーションには不安も残る。2走前のフラワーC(G3)から中2週で桜花賞、さらに今回は中1週での参戦。1か月強の間に3走、しかも2度目の関東遠征は3歳牝馬にとって過酷といえるだろう。
東京の開幕週は例年通りなら逃げ・先行馬が有利。今度こそ積極策に打って出るか。G1で好走した後だけに人気を集めるのは必至。凡走は許されないだろう。鞍上は引き続き吉田豊騎手が務める。
武豊騎手はマイシンフォニー(牝3歳、栗東・松永幹夫厩舎)で参戦。ディアデラノビアで勝った05年以来のフローラS制覇を狙う。
デビュー4戦目までは1600~1800mを使われていたマイシンフォニー。4戦目の1800m戦で初勝利を挙げると、続く前走は一気に距離を短縮し、1400mのフィリーズレビュー(G2)で桜花賞の権利獲りを狙った。ところがスタートが遅く、後方の位置取りから末脚を伸ばしたが、惜しくも4着に終わった。
直線で大外を回る距離ロスがあったことに加え、やはり距離もこの馬には短すぎた。今回は一気に3ハロン延長するが、課題の折り合いを克服すれば上位争いに加わってくるだろう。
ドウデュースで牡馬クラシック路線を沸かせている武騎手とキーファーズのコンビは、意外にも牝馬クラシックには出走したことがない。素質馬マイシンフォニーをオークスに送り込むことができるだろうか。
また「ルージュ軍団」の2頭にも注目だ。
昨年末のデビュー戦でエフフォーリアの弟ヴァンガーズハートにハナ差で勝利したルージュエヴァイユ(牝3歳、美浦・黒岩陽一厩舎)は、前走のデイジー賞(1勝クラス)でも強烈な末脚を繰り出し、2連勝を決めた。
2戦とも着差は僅かだが、インパクトは大きかった。祖母が凱旋門賞馬のデインドリームという良血馬はデビュー3連勝を飾ってオークスに向かえるか。
ルージュスティリア(牝3歳、栗東・藤原英昭厩舎)は、昨夏の新潟新馬戦で後の桜花賞馬のスターズオンアースを破った逸材だ。7か月ぶりの実戦となった前走・チューリップ賞(G2)はスタートで大きく出遅れて6着に敗れたが、上がり33秒9はナミュールと並びメンバー最速だった。
ひと叩きされた今回は、あっさりがあってもおかしくない。鞍上はデビュー戦以来となる福永祐一騎手に戻して確勝を期す。
2走前のシンザン記念(G3)で1番人気に支持されるも、7着に敗れたラスール(牝3歳、美浦・宮田敬介厩舎)も実力は上位陣と遜色ない。前走の自己条件1勝クラスを快勝し、2か月ぶりの実戦でオークスの切符を狙う。
2戦1勝のホウオウバニラ(牝3歳、栗東・安田翔伍厩舎)は、血統が魅力だ。半姉ビッシュは6年前のフローラSで1番人気に推され5着に敗れたが、オークスで3着に好走。秋には秋華賞(G1)でも1番人気に支持された。姉が果たせなかったG1制覇に向けて、まずは権利を獲得したい。
2度のG1を経験しているパーソナルハイが実力を示すのか。スガオノママデら新興勢力が台頭するのか。近年屈指の激戦となりそうな今年のフローラSは24日15時45分に発走予定だ。