JRA横山武史「1番人気」裏切りは大井でも……。東京スプリント(G3)「ただただ残念」、“他人事”コメントにメンタルを心配する声も?
「ゴールの瞬間は正直分かりませんでした。何とか出ていてくれ、と祈っていました」とコメントしたのは鞍上を務めた川須栄彦騎手。「とにかくシャマルのレースをして、力を出すことを考えていました」と、これまで通り好位からの競馬を貫き、重賞初挑戦での戴冠に喜びを爆発させた。
そんなシャマルにハナ差及ばず2着に敗れたのが、連覇を狙ったリュウノユキナ(牡7歳、美浦・小野次郎厩舎)だ。
またも1番人気で敗戦……横山武史騎手のメンタルが心配?
2番枠から好スタートを決めると、道中は勝ち馬を左斜め前に見る好位インの4番手を進んだ。直線では内を通って鋭く伸び、残り100mあたりで先頭に立つシーンもあったが、外からシャマルに差し返されたところがゴールだった。
「2頭の勝負を分けたのは4コーナーでの攻防だったと思います。シャマルは終始外々を通って、楽な手応えで直線を向きました。一方、リュウノユキナは4コーナー手前で少しごちゃつくところがありました。直線でも鞍上が一瞬、進路取りを迷いましたね。
シャマルと3着馬ギシギシの間にできた狭いスペースを突くという選択肢もありましたが、川須騎手が外からうまく蓋をしたため、鞍上は挟まるリスクを回避し、ギシギシの内に進路を切り替えました。着差がハナ差だけに、このロスがなければ1、2着馬が入れ替わっていてもおかしくありませんでしたね」(競馬誌ライター)
惜敗したリュウノユキナに騎乗していたのは横山武史騎手だ。この春は高松宮記念(G1)を皮切りにG1で人気馬に騎乗するも、ことごとく期待を裏切ってきた。今回も結果的に1番人気に応えられず、中央でのG1連敗という嫌な流れを断ち切ることはできなかった。
また、レース後に横山武騎手が残したコメントも注目を集めた。
「各スポーツ紙に掲載されたレース後のコメントも『残念。ただただ残念です』というあっさりしたものでした。各ジョッキーが丁寧なコメントを残している中、これだけではどこか他人事にも聞こえてしまいます。やはり春のG1連敗のショックが大きいのでしょうか……。
昨年はG1を5勝して大ブレーク。一流騎手の仲間入りを果たした横山武騎手ですが、まだ23歳の若者ですからね。口数の少ない今回のコメントを見る限り、メンタル面が少し心配になります」(同)
残念ながら、大井で逆襲の狼煙を上げることはできなかった横山武騎手。今週末は日曜東京のフローラS(G2)で伏兵ゴールデンアワーに騎乗を予定している。23歳に容赦なく襲い掛かる苦難の道。打開できるのは、他の誰でもない本人だけだ。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。