レッドファルクスならば休み明けでも関係なし! 生粋の「名古屋男子」兼「二刀流」は、仮に高松宮記念が「ダートG1」だとしても勝機アリ?
もしかすると中京競馬場に好きな牝馬でもいるのかもしれない。荒唐無稽な発想であることは承知しているが、そうとしか考えられないのだ。
直近1年にG1制覇経験のある出走馬がわずか1頭のみという混戦必至の高松宮記念(G1)。そのたった1頭が、昨年の秋スプリント王者・レッドファルクス(牡6、美浦・尾関知人厩舎)である。
ビッグアーサーとともに臨んだ昨年末の香港スプリント(G1)は、国内オッズで3番人気に推されながら12着。残念な結果に終わったが、もともと香港の短距離路線はハイレベルなことで有名だ。過去に優勝経験のある日本馬はロードカナロアのみで、ここで惨敗したからといってそう悲観することはないだろう。
ただ、今回はその香港スプリント以来の休み明けでの挑戦。約3カ月半のブランクが空いており、一般的な感覚からすれば買いづらい存在かもしれない。相手関係を見ても人気を背負いそうで、妙味という点でどうなのかという懸念も残る。
だが、過去の全出走歴をじっくり分析してみると、その心配は杞憂に終わる可能性が高いと見るのが妥当ではないだろうか。
それというのもこの馬、中京競馬場での成績がずば抜けていいのだ。2013年11月23日のデビュー以来【4・1・0・0】とオール連対を継続中。4勝のうち1勝が高松宮記念と同舞台のCBC賞(G3)であることも心強い。単純にコース適性という観点で見て、メンバー屈指のものを持っているのは間違いないところだ。
さらに驚かされるのが、この5連対が「芝コースに限らない」という事実。3年前の鳴海特別(1000万下・ダ1200m)を1着、昨年の夢見月S(オープン・ダ1400m)では2着と、ともに水準以上の力を発揮しているのである。
ここまで来れば、もはやコース適性という概念の範疇を超えている。安田記念から日本ダービーまで距離不問で東京のG1を勝ちまくった名牝ウオッカでも、まさかフェブラリーSを制覇できるとは思えないし、現役屈指の中山巧者ゴールドアクターが今週のマーチSを好走可能かと問われれば、疑問符がつくのは当然だろう。