今週は川田将雅が餌食に…ドウデュース武豊、デアリングタクト松山弘平も戦々恐々!? ナミュール横山武史、イクイノックスC.ルメールらの「残念な」共通点とは
8日に東京競馬場で開催される3歳マイル王決定戦・第27回NHKマイルC(G1)の出走馬、並びに枠順が決定した。
1996年の創設以来、毎年東京競馬場で行われているNHKマイルCは、第3回の1998年を除いて、すべて18頭のフルゲート。この時期の3歳マイルG1の需要の高さを示すとともに、多頭数からなる枠順は、これまで多くドラマを生んできた。
今年も1枠1番の絶好枠を引いたマテンロウオリオンの昆貢調教師が「最短コースを走れる、いい枠。文句の言えないところ」と言えば、3枠5番を引いたキングエルメスの陣営からも「いい枠に入りました」と明るい声が漏れ聞こえている。
一方、枠順に泣いた有力馬は、大外8枠18番を引いたダノンスコーピオンだろう。陣営は「一番外になったけど仕方ない。東京コースは広いので」と早くも嘆き節。最大のライバルとなるセリフォスが、2枠4番の絶好枠を引いたこともあって気が気ではないはずだ。
今年のNHKマイルCは、このダノンスコーピオンとセリフォスの一騎打ちが予想されているが、前者はレース当日に向けて少なからず人気を落とすはず。他の伏兵陣にも割って入るスキができた以上、波乱のレースとなるかもしれない。
その一方で、この春のG1戦線は「大外枠」が何かと話題を呼んでいる。
今春のG1は「大外枠」に多くの有力馬が
先週の天皇賞・春(G1)でも最有力候補だったディープボンドが、大外18番に入ったことが大きな話題になったのを記憶しているファンも多いはずだ。今回はここまでの春G1の「大外枠」を振り返ってみたい。
高松宮記念(G1)
8枠18番 グレナディアガーズ 福永祐一 3番人気→12着
(8枠17番 メイケイエール 池添謙一 2番人気→5着)
大阪杯(G1)
8枠16番 マカヒキ 岩田望来 13番人気→14着
桜花賞(G1)
8枠18番 ナミュール 横山武史 1番人気→10着
(8枠16番 サークルオブライフ M.デムーロ 2番人気→4着)
皐月賞(G1)
8枠18番 イクイノックス C.ルメール 3番人気→2着
天皇賞・春(G1)
8枠18番 ディープボンド 和田竜二 1番人気→2着
(8枠16番 タイトルホルダー 横山和生 2番人気→1着)
NHKマイルC(G1)
8枠18番 ダノンスコーピオン 川田将雅 ?人気→?着
※()は大外を除く8枠の上位人気馬と結果
グレナディアガーズ、ナミュール、イクイノックス、ディープボンド、そしてダノンスコーピオン……。16頭立てだった大阪杯のマカヒキを除けば、この春G1で大外18番に入った馬は、どれも主役級の有力馬ばかり。基本的に不利とされる大外枠に入らなければ、もっと人気になっていてもおかしくなかった面々だ。
レースの結果については、グレナディアガーズやナミュールが枠順に泣いた一方で、イクイノックスやディープボンドは2着を確保して意地を見せている。ただ、それでも優勝はなく、レース後「枠がもう少し内なら……」という陣営の嘆きは、この春さらに多い印象だ。
その上で興味深いのは、大外枠という“貧乏くじ”を引かされた鞍上たちだろう。
グレナディアガーズの福永騎手、マカヒキの岩田望騎手、ナミュールの横山武騎手、イクイノックスのルメール騎手、ディープボンドの和田竜騎手、そしてダノンスコーピオンの川田騎手。そこに8枠だったメイケイエールの池添騎手、タイトルホルダーの横山和騎手らは、いずれもリーディング上位騎手であり、まるで“持ち回り制”のように大外枠を引きあっている現象は興味深い。
無論、枠順は厳正な抽選をもとに行われているので、これらは単なる偶然だ。
だが、仮に春G1における「大外枠の持ち回り制」のジンクスがあったとすれば、今後のG1で“お鉢”が回ってきそうなリーディング上位騎手は、ヴィクトリアマイル(G1)でデアリングタクトに騎乗予定の松山弘平騎手、日本ダービー(G1)でドウデュースに騎乗予定の武豊騎手といったところか。
次点として吉田隼人騎手のソダシ(ヴィクトリアマイル)、ポタジェ(宝塚記念)といったところも候補に入りそうだ。
果たして、残りの春G1における大外枠のジンクスは、まだまだ続いてしまうのか。そして、引いてしまった馬がどんな着順に終わるのか。春のG1戦線の注目点の1つになりそうだ。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。