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JRA福永祐一「距離こなせる」も不安払拭に暗雲…期待馬に答え合わせの秋、ドレフォン産駒2頭が見せたそれぞれの可能性

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ジオグリフ

 先週の日本ダービー(G1)は、皐月賞(G1)3着から巻き返したドウデュースが見事な勝利を飾った。1番人気で敗れた前走から3番人気に評価を落としたものの、パートナーの力を信じた武豊騎手の完璧なエスコートに導かれ、3歳世代の頂点に立った。

 史上最多となるダービー6勝目を手に入れたレジェンドに、東京競馬場に詰め掛けた大観衆も惜しみない拍手。「ユタカコール」に沸いたウイニングランもまた、競馬史に残る名シーンとなるに違いない。

「僕は帰ってきました」という名言も誕生した2013年のキズナ以来、9年ぶりにダービー勝利の美酒に酔いしれた武豊騎手だが、今回の歴史的快挙の裏にドレフォン産駒2頭の存在もまた、大きな影響を与えたといえる。

 それは、皐月賞を制したジオグリフとデシエルトの2頭だ。

 ドウデュースが敗れた前走は、武豊騎手も「もっと流れるかと思ったのですが、流れませんでした」と振り返ったように先行勢に有利な展開。逃げると考えられていたデシエルトが、スタートで躓いたこともあってか2番手に控える競馬を選択したため、ペースが予想以上に落ち着いた。

 その結果、道中で積極的なポジションにつけたジオグリフが優勝。デシエルトは、2番手から進めたものの、持ち味を発揮できないまま16着に大敗してしまった。

 続く日本ダービーで2頭の課題となったのは、ジオグリフの距離延長、デシエルトのスタートだろう。

ドレフォン産駒2頭が見せたそれぞれの可能性

 前者は鞍上の福永祐一騎手が「距離は道中のロスがなければこなせると思います」としたが、皐月賞で退けたドウデュースやイクイノックスから1秒も離れされる7着という着順を考えると、本来のパフォーマンスからはほど遠い内容だったように感じる。

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デシエルト

 また、後者は2番手に控えた鬱憤を晴らすかの如く、1000m通過58秒9というラップで軽快に飛ばしたまでは良かったが、最後の直線に入ると抵抗することなく馬群に沈んでしまった。

 いずれも芝2000mで勝利した実績を持ちながら、2ハロンの距離延長が響いた格好。母系の血統を遡れば、こなせても問題ないはずだが、これは父であるドレフォンのスプリント色が強かったのかもしれない。

 春のクラシック2戦の内容から、秋を見据えたそれぞれの陣営がどのような選択をするかは、まだ分からないものの、距離がさらに長くなる芝3000mの菊花賞(G1)に向かう可能性はおそらくないだろう。

「ジオグリフについては、中距離までこなせるマイラーのイメージですね。過去の馬で最もタイプが似ているとすればダイワメジャーに近い気もします。この馬もジオグリフ同様に喉鳴りの不安があった馬ですが、マイルG1や中距離路線で活躍しました。

デシエルトは、このまま芝ダート兼用で使われるのか、無敗のダートに戻すのか、まだ分からないです。秋のG1は天皇賞やチャンピオンズCなども候補に入ってきそうです。ポテンシャルは高い馬ですから、秋にもっと良くなるでしょう」(競馬記者)

 初年度産駒からいきなりクラシック勝ち馬を出し、NHKマイルC(G1)でも18番人気カワキタレブリーの3着で話題を集めたドレフォン産駒。スタミナの不安は拭えないが、これからも要注目の種牡馬となりそうだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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