JRAドウデュースオーナー親族「新規一口クラブ」がいよいよ初陣! トップバッターは武豊鞍上、一族に天馬トウショウボーイを持つ「即戦力」候補
東西で2歳新馬戦がスタートした先週。新種牡馬サトノダイヤモンド産駒のダイヤモンドハンズが世代一番星に輝くなど、来年の日本ダービー(G1)に向けて若駒たちのデビューが続々と始まった。
そんな中、今年のダービー馬に輝いたドウデュースは、今秋にフランスで開催される凱旋門賞(G1)への参戦を予定。オーナーのキーファーズ代表・松島正昭氏も「絶対に行きます」と力強く宣言している。
その松島オーナーは昨年、長女の松島悠衣氏が新たな一口馬主クラブ「インゼルレーシング」を設立したことでも話題になった。
松島氏の「島」のドイツ語(インゼル)が由来だという同クラブ。ちなみに、キーファーズは「松」のドイツ語(キーファー)から取られている。
クラブ発足の際には、社台ファーム代表の吉田照哉氏やクールモア代表のJ.マグナ―氏、武豊騎手、L.デットーリ騎手など国内外のトップホースマンたちから祝福の声が届いたように、注目度の高さが窺い知れるだろう。
代表の悠衣氏は『中日スポーツ』によると、「父や武(豊)さんが夢やロマンを語っている姿をずっと見てきた。2人が追い続けている夢にファンの皆さんも参加してほしいです」と、その思いを語っている。
「なおインゼルの初年度募集馬は約20頭おり、凱旋門賞を連覇したエネイブルの近親シャスティフォルや、総額1億円を超えるキタサンブラック産駒のシュバルツガイストなど、錚々たるメンバーが名を連ねています」(競馬誌ライター)
トップバッターは武豊鞍上
そんなインゼルレーシングが今週末、いよいよ初陣を迎える。トップバッターは、武豊騎手で12日の函館芝1200mを予定しているクリダーム(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)だ。
同馬は、現役時代にG1・7勝を挙げた覇王・テイエムオペラオーと同じ杵臼牧場の出身。一族には有馬記念(G1)や宝塚記念(G1)などを勝利した天馬トウショウボーイなどもいる注目馬である。
父はドウデュースと同じハーツクライだが、母父がスプリンターズS(G1)を連覇したサクラバクシンオーでもあることから、管理する須貝師は短距離適性を感じ取っているようだ。
函館・芝コースで行われた最終追い切りに騎乗した武豊騎手も、「気性的に短いところが合いそう」とのコメントを残している。
「クリダームの祖母マザートウショウは現役時代、芝1200mの函館3歳S(G3)を制覇。桜花賞(G1)までに短距離重賞3勝を挙げていたことから、本馬も短いところの即戦力タイプであると思われます。
ただ、一族には古馬でG1を勝ったトウショウボーイなどもいることから、一介の早熟タイプであるとも言い切れないでしょう。ぜひスプリント戦線で長く活躍する1頭に育ってほしいですね」(同)
そんなクリダームと初出走を迎えるインゼルレーシングには、「非常に楽しみにしています」「函館行きの飛行機チケット予約しました」といった声も、ネットの掲示板やSNSなどで見られた。
もし初戦突破を決めることができれば、次は世代初の重賞である函館2歳Sも見えてくるだろう。新たな一口クラブの門出とクリダームの走りに大いに注目したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。