JRA 「3億円ホースVS第二のジオグリフ」が激突! クラシックホースが続々羽ばたいた「超出世舞台」で一騎打ち濃厚か
12日、東京競馬場で行われる芝1800mの2歳新馬戦。近年ではグランアレグリアやサリオスが勝利した6月初週の芝1600m戦が超出世レースとして知られているが、翌週に行われる1800m戦からも多くの活躍馬が誕生している。
昨年の同舞台を勝ったジオグリフは、今年の皐月賞(G1)を制覇。その前年のユーバーレーベンもオークス馬に輝いている。他にもG1を2勝したメジャーエンブレムや日本ダービー(G1)3着のマイネルフロストなどもここを勝ち上がった。
「3億円ホースVS第二のジオグリフ」が激突!
今年、そんな出世舞台から羽ばたこうとスタンバイしているのが、ハーツクライ産駒のダノンザタイガー(牡2歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。
同馬は一昨年に行われたセレクトセールの当歳セッションにおいて、税込み約3億円の超高価格でダノックスに落札された期待馬。血統的にも母のシーズアタイガーは、2013年のデルマーデビュータントS(米G1)を優勝。リアアメリアの母リアアントニアや、ディアスティマの母であるスウィートリーズンらを抑え、エクリプス賞・最優秀2歳牝馬に選ばれた名牝である。
期待の大きくなるダノンザタイガーは、既に5月から美浦で十分に乗り込まれており、管理する国枝調教師は「長めの距離がいいと思う。東京が一番合いそう」とコメント。
アーモンドアイやアパパネなどを手掛け、これまでG1・20勝以上を挙げている国枝厩舎だが、牡馬クラシックが未勝利であることは、競馬界の七不思議という声もある。
日本ダービーには開業以来、8頭の管理馬を送り込んだものの、18年コズミックフォースで記録した3着が最高着順。今年は有力候補だったコマンドラインが除外の憂き目にあった。
また、オーナーのダノックスも五大クラシック未勝利であることから、目指すは当然、来春の日本ダービーだろう。鞍上に川田将雅騎手を予定しており、ダノンベルーガのリベンジに向けてもぜひ初戦を突破してほしいところだ。
そんな陣営の期待が詰まったダノンザタイガーの前に、1頭のライバル候補が立ちはだかりそうだ。
「田村康仁厩舎のグランサバナですね。近親にオークスなどG1・2勝のトールポピーや秋華賞馬アヴェンチュラなどがいる期待の良血馬で、鞍上にD.レーン騎手を予定しています。
同馬は父がドレフォンであることから、昨年6月に東京の同じ舞台を勝ち上がったジオグリフと重ね合わせて、『第二のジオグリフ』なんて呼ぶ声も一部ではあるみたいですね」(競馬誌ライター)
ちなみに田村康厩舎は昨年も期待馬アスクビクターモアを東京1800mの新馬戦でデビューさせており、惜しくもジオグリフの3着に敗れたものの、両馬はその後も良きライバル関係として牡馬クラシック路線を盛り上げている。
ダノンザタイガーとグランサバナも今後は似たような関係になるかもしれない。注目馬2頭の対決を楽しみにしたい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。