JRA武豊×キタサンブラック産駒らライバル馬を完封! 祖母はスプリンターズS好走、「牝馬最高価格」で取引された快速馬がデビュー戦V
馬名に違わぬ軽快な走りを見せてくれた。
18日、函館競馬場の5Rに行われた牝馬限定・2歳新馬戦は、藤岡佑介騎手の2番人気ゴキゲンサン(牝2歳、美浦・伊藤大士厩舎)が勝利。直線鋭く抜け出して見事にデビューVを決めた。
芝1200mに10頭が顔を揃えた一戦。7枠7番からスタートを切ったゴキゲンサンと藤岡佑騎手は、抜群の行き脚で好位3番手へ。1番人気エリカフォンテーヌを見る形で3~4コーナーを回り、最後の直線に入る。
鞍上のゴーサインに反応してスッと先頭に立つと、ゴール前では武豊騎手のキタサンブラック産駒ブルジュドバイが迫ってきたが、最後まで余裕のある手応えでクビ差退けた。
「好ダッシュから難なく先行すると、若駒らしからぬセンスの良さと見事なスピートで当面のライバルたちを完封しました。着差以上の完勝だったと思います。
パドックの周回などを見る限りでは、まだ馬体にだいぶ余裕がありそうでしたので、叩かれての上積みにも十分期待できそうですね」(競馬誌ライター)
スムーズな競馬で初戦白星を飾ったことで、レース後のSNSやネット掲示板などにも「終始ご機嫌な走り」「ゴキゲンサンおめでとさん」「わたしも馬券が当たってご機嫌さん」といった、馬名を絡めたコメントが多く寄せられている。
そんなやや珍名といえるかもしれないゴキゲンサンは、2021年の北海道サマーセールで、ゲバラなどを所有するオーナーのニッシンホールディングスに2640万円(税込)の高値で落札された。
これは昨年の同セールにおいて、ハヤブサレディゴーの2020(ニケファルコン)と並んで牝馬の最高価格である。
祖母にはデビューから3連勝でフェアリーS(G3)を優勝し、2003年のスプリンターズS(G1)でも5着に入ったテンシノキセキを持つことから、初戦で豊かなスピードを披露したのも頷けるだろう。
「ゴキゲンサンは母系にストームキャットを持つリアルインパクト産駒ということで、配合的には一昨年のNHKマイルC(G1)を勝ったラウダシオンと似た部分もあります。
テンシノキセキは5歳になってからもセントウルS(G3・当時)を勝つなど、短距離界で長きにわたって活躍しました。本馬もまだまだこれからの馬ですし、将来的にはスプリント路線で侮れない存在になるかもしれませんね」(同)
「追い切りの時点で勝ち負けできそうな反応だった。初戦としては非常にいい内容で勝ってくれた」
レース後、騎乗した藤岡佑騎手はゴキゲンサンをそう“ご機嫌”に評価。また、管理する伊藤大師も「いい競馬でした。それでもまだ完成途上です」と、こちらも上機嫌のコメントを残している。
次走は状態を見つつ、同じコンビで函館2歳S(G3)への参戦を視野に入れているとのこと。再びゴキゲンな走りで世代初の重賞ウイナーになれるだろうか。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。