JRA「今年はヤバい」池添謙一、横山武史らもビビった!? 宝塚記念(G1)でトップジョッキーが不在…2週続いた騎乗停止処分に恐怖の声

 11日から始まった函館競馬は先週の開催を終えて2週間が経過。武豊騎手とコンビを組んだインゼルレーシングのクリダームが初出走初勝利を挙げたことでも大きな注目を集めた。これから本格化していく夏競馬とともに、デビューを控える期待の2歳馬たちの活躍も楽しみだ。

 だが、今年の函館は例年とは少し様子が違っているという話も聞いた。

2週続いた騎乗停止処分に恐怖の声

 開幕初日に鷲頭虎太騎手が斜行による9日間の騎乗停止処分を受けただけではなく、20日にも西塚洸二騎手が2日間の騎乗停止処分。今年デビューした新人騎手によるレース中のミスが目立っているのだ。

「池添謙一、横山武史、藤岡佑介ら北海道開催の常連である騎手は早くも『ヤバさがハンパない』と警鐘を鳴らしていましたよ。新人騎手にとって北海道の開催は当然ながら初めて。慣れないコースで道中の動きが読めず、危ないと声掛けしても本人に聞こえてないのか、急に変な動きをすることがあるようです。それだけにいつも以上に慎重に乗らないと大事故になるかもしれませんね」(競馬記者)

古川奈穂騎手

 乗れる新人騎手としてブレイクした今村聖奈と角田大河の2人は、どちらも阪神や小倉での騎乗予定で北海道には不参戦。対する北海道組は前述の鷲頭、西塚に加えて大久保友雅に土田真翔ら多くの新人騎手が騎乗を予定している。そこに加えて古川奈穂騎手も先輩騎手から要注意とマークされているらしい。

 まだ経験が浅い彼らだけに道中から馬を御せていないレースも多い。勝負どころでもフラフラして周りの騎手に気を遣わせた挙句、直線でもやや強引なコース取りをする荒い騎乗もしばしば目にする。

 やはり技術不足が主たる要因となるのだが、経験を積むには数を乗る必要もある。先輩騎手に叱られるなどの苦い経験をしてこそ、今後のレベルアップへと繋がるだろう。古川奈騎手は新人ではないものの、肩の手術で長期間休んでいたため、実戦の勘や筋力の低下も関係しているのだろう。

 懸念されるのは小回りのコースでマクっていく競馬をする騎手との兼ね合いだ。レース中の動きが激しくなりやすいために、勝負所で動きの読めない新人がフラフラしていると非常に危険だ。よく言えばスリリングな競馬が見られる一方で、一歩間違えれば大惨事になる可能性を秘めているということである。

 ただでさえ、今週末は宝塚記念(G1)の開催でトップクラスが不在になるため、裏開催の函館はより危険な状況となるはず。

「今年の北海道は例年以上に命懸けの開催になる」と危機感を持っている騎手も多かったようだが……。人馬ともに何事もなく無事に開催が終わることを祈りたい。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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