JRA「なにしてんねんw」ウマ娘珍名馬パクパクデスワ「大逸走」のド派手デビュー! ファンから温かい声援も平地調教再審査へ

永島まなみ騎手

 10日、小倉競馬場で行われた6R・2歳新馬(芝1200m)は、2番人気のアロマデローサ(牝2歳、栗東・池添学厩舎)がキンシャサノキセキ産駒らしい快速ぶりを見せての快勝。4代母にローザネイを持つ“バラ一族”の末裔が、堂々のデビュー戦勝利を飾った。

 鞍上の福永祐一騎手が「勝てるポテンシャルはあった」と振り返った通り、前評判通りの内容。「キックバックを嫌がるところがあって、調教とかで直していかないと」と今後の課題を挙げたのも期待の裏返しだろう。

 その一方で、“ほろ苦デビュー”で勝ち馬以上の注目を集めてしまったのが、8番人気の珍名馬パクパクデスワ(牝2歳、栗東・高橋康之厩舎)だった。

 14頭立ての8番人気とはいえ、戦前には「芝の短距離も合いそうですし新馬向きの雰囲気がある」と陣営が期待していたパクパクデスワ。鞍上の永島まなみ騎手も『スポーツ報知』の取材に「前向きで初戦から力は出せそう」と期待をかけていた。

「大逸走」のド派手デビュー!

 そんなパクパクデスワだったが、スタートで出遅れてしまい後方から。勝負どころの3、4コーナーで集団との距離を詰めに掛かったが、あろうことかコーナーを曲がり切れずに大きく逸走することに……。

 結局、大きくコースを外れてしまったパクパクデスワは、前の馬に大差をつけられた13着に大敗してしまった。

 この結果を受け、Twitterのトレンドでは「パクパクデスワ」がたちまち1位に急浮上することに……。ただ、大きな事故につながらなかったこともあってか、ファンからは「可愛い」「笑った」「完走してて偉い」「なにしてんねんw」「今後も応援する」など、温かいコメントが並んだ。

「この日は小倉競馬場で、福岡市の薬院にあるマカロンの人気店『シュガーマジョのマカロン』が小倉競馬場限定発売を行っていました。この時期の2歳牝馬は、人間でいえば中学生くらいのお年頃ですし、“本業”よりも大事なものがあっても不思議ではありません(笑)。

冗談はさておき、馬にとっては課題の残るレースになってしまいました。JRAからは当然ながら平地調教再審査が課せられたそうです。4コーナーでのあれだけ大きな逸走は、やはり一昨年のホープフルS(G1)のランドオブリバティを思い出しますね。あの時は三浦皇成騎手が落馬してしまいましたが、鞍上の永島騎手が無事だったのは不幸中の幸いではないでしょうか」(競馬記者)

 記者が限定マカロンという見当違いの話題を持ち出したのも、パクパクデスワという馬名が食いしん坊を想起させるだけでなく、一部のファンの間で大人気競馬アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)にちなんだネタではないかと言われているからだ。(正式には、健啖である様子+ですわ)

 記者曰く、馬主の大田恭充氏は以前からデラベッピン、ニャンニャンなどの珍名馬のオーナーとして知られ、今年の新馬に『ウマ娘』の代表曲『うまぴょい伝説』にちなんだウマピョイという名を付けたことからも、ウマ娘ファンであることが濃厚だという。

 ちなみにパクパクデスワは、お嬢様言葉を使うスイーツ好きのウマ娘メジロマックイーンが元ネタになっているようだ。今回は不本意な形で注目を集めてしまったが、逸走する直前の行き脚には光るものがあった。次回は後方からライバルたちを“パクパク”飲み込むような末脚に期待したい。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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