連敗続く1番人気に我慢の限界、今週も波乱確実?

撮影:Ruriko.I

 先月末に開催された札幌のクイーンS(G3)は2番人気のテルツェット、新潟のアイビスサマーダッシュ(G3)は7番人気のビリーバーが勝利。1番人気に推されたウォーターナビレラ、ヴェントヴォーチェは、掲示板にすら載れない大敗を喫してしまった。

 上半期のG1戦線でも昨年暮れのホープフルSから宝塚記念まで1番人気が13連敗という不振ぶりだったが、重賞全体を通しても1番人気の不振は今年の競馬の見逃せない特徴となっている。

 そもそも小倉大賞典(G3)でアリーヴォが優勝するまで、年始の東西金杯から重賞で1番人気は18連敗という惨憺たる有様。同じく重賞で連敗が続いたC.ルメール騎手とどちらが先に勝つかなどと言われていたくらいなのだ。

 その後に何度か勝利したとはいえ、先週の開催を含めた75Rで11勝の勝率14.7%はいただけない。一般的に1番人気の勝率が3割程度に収まるだけに、半数となっていることは異常事態。今年の重賞がいかに荒れているかの証左ともなるだろう。

 直近の重賞で1番人気の勝利は函館スプリントS(G3)だが、その後は12連敗。ここまで来ると、最初から1番人気を消してしまってもありなのではないか、とすら感じられるほどだ。

今週も波乱確実?

 とにかく勝てない重賞1番人気の影響は、JRAから指定された5つの対象レースで勝ち馬を当てるWIN5においてはさらに深刻である。こちらについては最終関門の対象5レース目の重賞に限ると未勝利なのだから、もはやどうしようもない。

 重賞でなければ、1月10日の淀短距離S(L)を1番人気スマートクラージュが勝利しているが、それでも約7か月も前のこと。先週の5レース目アイビスサマーダッシュの敗戦を含めてこれで30連敗の大台に突入してしまった。これは2011年からスタートしたWIN5の11年の歴史でも前例がない。

 そういう意味では、穴党にとって願ってもないチャンスが訪れたといえそうだが、本命党からすれば、敗戦の続く1番人気への信頼はいよいよ地に落ちた。人によっては今週の重賞2レースも1番人気馬を消すところから予想を始めるなんてこともありそうだ。

 そこで札幌のエルムS(G3)、新潟のレパードS(G3)に目を向けると、はっきり言ってどの馬が最終的な1番人気になるのかさえ予想がつかない状況。『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズを確認してみたところ、エルムSはオメガレインボー、ブラッティーキッド、ウェルドーンあたり。レパードSはタイセイドレフォン、ハピ、ホウオウルーレットのそれぞれ3頭ほどで人気を争いそうだ。

 最終的にどの馬が1番人気になるのかは分からないが、今年の傾向通りに苦戦するようなら、人気の一角を占める1頭を自動的に消せる。ここまで続いているなら何も考えずに乗ってみるのもありだろう。

 勿論、こういったデータ的な情報は、気が付いたときには途切れてしまうこともあるので、馬券は自己責任でお願いしたい。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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