武豊ら1番人気連続記録「19」を止めてしまった新人騎手

 競馬において大きな鍵を握っている1番人気の存在。まさにレースの「主役」であり、前評判通りに好走するかどうかで、馬券的な配当にも大きな影響を及ぼす。

 ちなみに昨年、JRAで行われた計3456レースの1番人気の成績は勝率33%、複勝率64%だった。3頭に1頭が勝利し、3頭の内2頭は3着内にくる計算となる。ファンにとっては、1番人気の取捨こそが馬券的中を左右すると言っても過言ではないだろう。

 ただ、確率はあくまでも確率に過ぎない。上記の成績は年間トータルの数字であり、そこに至るまでは連敗や連勝など好不調も当然含まれている。

 そんな1番人気が先週末の札幌開催では、土日通して確率以上の活躍を見せた。成績は以下の通りである。

■8月1週目 札幌開催の1番人気馬成績

・6日(土)
1R イッツオンリーユー 3着 武豊騎手
2R カイザーレオン 2着 横山和生騎手
3R イラーレ 1着 武豊騎手
4R トーホウテンリュウ 3着 菱田裕二騎手
5R テラステラ 3着 吉田隼人騎手
6R ダノンフロイデ 1着 岩田望来騎手
7R サウンドブライアン 1着 池添謙一騎手
8R セレッソ 3着 横山和生騎手
9R スカイフォール 1着 横山和生騎手
10R クレスコジョケツ 1着 鮫島克駿騎手
11R ハーツイストワール 1着 武豊騎手
12R ヴェントボニート 2着 池添謙一騎手

・7日(日)
1R サトノミスチーフ 1着 富田暁騎手
2R メルシー 1着 武豊騎手
3R イルモンド 2着 菱田裕二騎手
4R シャンダス 2着 丹内祐次騎手
5R フェネストラ 2着 横山和生騎手
6R ダノンフロンティア 2着 武豊騎手
7R ヒデノレインボー 2着 浜中俊騎手
8R ブルーゲート 8着 鷲頭虎太騎手
9R ハーツラプソディ 11着 武豊騎手
10R モンファボリ 2着 武豊騎手
11R ブラッティーキッド 4着 水口優也騎手
12R メルヴィル 3着 武豊騎手

 特筆すべきはその複勝率だろう。24頭中4着以下に敗れたのは僅か3頭のみで、複勝率87.5%と、その存在感はまさに驚異的だった。6日は12レース全てで1番人気が3着内、7日も7Rまでいずれも3着内をキープし、19戦連続3着内が続いた。

 6日1Rの武豊騎手から横山和生騎手、吉田隼人騎手、岩田望来騎手、池添謙一騎手など先輩たちが次々と「1番人気の重責」という名のバトンを繋いでいく中、20戦目に“それ”を落としてしまったのが、ルーキーの鷲頭虎太騎手だった。

 騎乗した7日8Rの1番人気ブルーゲートは8着に終わっているが、内容が不完全燃焼だっただけに鞍上も悔いが残るだろう。

 手応え良く4コーナーを回り、まさに最内から伸びようとしている場面で、前や横にいた馬たちに囲まれて万事休す……。1番人気がマークされることは競馬の宿命だが、1枠1番から内々を通らざるを得なかったことも不運だった。

 とはいえ1番人気の活躍が目立った先週の札幌開催。本命党の競馬ファンにとっては、大満足の2日間になったのではないだろうか。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
 ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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