今村聖奈VS永島まなみの女性騎手対決!軍配が上がった永島騎手に「意外な」好走傾向を発見
24日、園田競馬場にてJRA交流競走・藻川特別が開催された。
よくある地方のJRA交流競走ではあるが、このレースでは永島まなみ、今村聖奈の女性両騎手が参戦し、地方で今をときめくJRA女性騎手同士の戦いを見ることができた。
戦前の評価では1番人気が今村騎手のピエトラサンタ。中央デビューで2戦したあと名古屋競馬へ転籍し、連勝して再度中央へ戻ってきた出戻り組。これだけ見ると地味なこと極まりないが、所属は栗東の友道康夫厩舎、馬主は金子真人氏で19年のセレクトセールで2億2680万円(税込み)で取引された高額馬。華のある馬に勢いのある今村騎手が騎乗しており、人気になったのもむべなるかなと。
ダート1400mで行われたレースは、2番人気のJRA勢ニホンピロオーセンがハナを主張してレースを引っ張る格好に。ハナを譲った2番手に地方馬、続く3番手に永島騎手のスエヒロヴァン、永島騎手と同期の小沢大仁騎手のクリノニキータがその後ろにつける格好で直線に。最後はニホンピロオーセンが引き離す一方で、3番手の永島騎手が粘り、外からクリノニキータが豪快に追い込んでJRA勢のワンツースリーで決着した。
注目の今村騎手は中団より後方に待機していたものの、直線では行った行ったの展開になった結果、大きく離されての5着。女性騎手対決は1年先輩の永島騎手に軍配が上がった格好となった。
永島騎手に「意外な」好走傾向を発見
地方で先輩の意地を見せた永島騎手だが、今年2年目で通算16勝。今年に限って言えば9勝を挙げており、昨年の7勝をすでに上回っている。永島騎手に関しては「極端に偏った傾向」があることがわかった。
まず、ひとつ目はダート戦に強いこと。
そもそも騎乗数そのものが芝189回に対してダートは倍近い305戦とダートに偏っていることもあるのだが、芝の通算【4-4-6-175】に対して、ダートは【12-10-12-271】で勝率はさほど変わらない。
しかし、連対率が芝の4.2%に対してダートは7.2%、複勝率が芝の7.4%に対してダートは11.1%とダート戦に強いことがうかがえる。実際、今回もダート戦で人気薄ながら3着に持ってくる騎乗を見せた。
そのせいもあってか、距離でいうと1150m戦と福島のダートにしか存在しない距離に滅法強く【3-1-0-5】で勝率33.3%、連対率・複勝率44.4%とかなり高い数字を示している。ついでマイル戦では勝率7.1%、連対率・複勝率14.3%、同じくダートだけの1700m戦でも勝率・連対率6.5%、複勝率8.1%と悪くない数字が残っている。
道中の位置取りにも偏りがある。
逃げる競馬をした場合、【7-1-3-34】と全勝利のうち半分弱を占め、勝率15.6%、連対率17.8%、複勝率24.4%と、高い確率で馬券になっていることがわかる。先行した場合も勝率こそ4.6%に留まるが、連対率12.3%、複勝率21.5%とこちらも高い数字を示している。今回のレースも3番手からの競馬で粘りきってみせた。
もうひとつ、永島騎手の顕著な傾向がある。牝馬に騎乗した場合好成績を挙げている点だ。
全16勝のうち11勝が、実に牝馬で勝ったものだ。494戦騎乗のうち332回も牝馬に騎乗しているので、成績に偏りが見られるのは当然と言えば当然だが、それにしても勝ち星の大半が牝馬で挙げたものとなると無視はできない。女性騎手ということで、当たりが柔らかいからなのか、今回のレースもまた牝馬に騎乗してのものだった。
あと、母数が少ないので参考程度ではあるがマル外にも強い。
13回騎乗で2勝3着1回を挙げており、率で言うなら勝率・連対率15.4%、複勝率23.1%と高い数字を示しているのでチェックして損はないだろう。
女性騎手というと藤田菜七子騎手や今村騎手などに目が行きがちで、特に今村騎手は大舞台に立つ機会が増えているので、必然的に馬券検討の対象になることが多い。
しかし、こと地味な平場で狙う場合「ダート・短距離・逃げ馬・牝馬」に好走条件がわかりやすい永島騎手が騎乗している場合、人気薄でも狙う価値がありそうだ。平場の馬券検討の一助になれば幸いだ。