武豊「怪物降板」からの再生工場送り!? 蜜月コンビに不協和音、元クラシック候補が立たされた岐路
武豊騎手を背にしての復帰戦を待ち望むファンも多かったディープモンスター(牡4、栗東・池江泰寿厩舎)だが、次走に予定している丹頂S(OP)では、川田将雅騎手との新コンビを結成する。
これはオーナーであるDMMバヌーシーから発表された情報だが、ディープモンスターのデビューから皐月賞(G1)を除くすべてのレースに騎乗していた蜜月コンビに、想定外の不協和音が生じたといえるだろう。
主戦を任されていた武豊騎手にとっては降板の意味合いが強いものの、ここまでコンビを組んだ7戦で大きく崩れたのは日本ダービー(G1)の16着のみ。明らかな騎乗ミスなどが原因となるレースは、これといってなかったようにも感じられる。
それだけに今回の乗り替わりには、ファンの受け取り方も様々だ。ネットの掲示板やSNSなどでは、「相性は悪くなかったと思うけれど……」「勝てないのは馬の力が足りないだけ」「川田なら期待できるかも?」といった声も出ていた。ディープモンスターを管理する池江厩舎と武豊騎手の勝率も悪くないため、オーナーサイドの意向かもしれない。
DMMバヌーシーとしても川田騎手は最大の功労者
「川田騎手に白羽の矢が立ったのは、ラヴズオンリーユーの復活に多大な貢献をしたことが評価された可能性が高そうです。オークス(G1)を優勝して以降、伸び悩んでいた馬を普段の調教から見直して復活させました。
その結果、京都記念(G2)で久々の勝利に導いただけでなく、ブリーダーズCフィリー&メアターフ(G1)や香港C(G1)も制する快挙を成し遂げています。DMMバヌーシーとしても、川田騎手は最大の功労者といっていいでしょう」(競馬記者)
そういう意味では、クラブに初G1タイトルをもたらしてくれた川田騎手に対する評価の高さが垣間見える乗り替わりである。
ハイレベルといわれる現4歳世代でクラシック候補と期待されたディープモンスターだが、皐月賞7着、日本ダービー16着、菊花賞(G1)5着ともう一つの成績。大きな注目を集めてデビューしたものの、G1で勝ち負けを期待できるほどのパフォーマンスは残せていない。
その一方、このタイミングで川田騎手を起用したということは、ディープモンスター陣営が、現状でまだまだ力を出し切れていないと判断したのだろう。さらに上を目指すため、ラヴズオンリーユーを復活させた“再生工場”ともいえる川田騎手の手腕に託したなら分かる話でもある。
除外による優先出走権も取り、1番人気が濃厚な今回は万全の態勢が整った。昨年2月のすみれS(L)以来の勝利を手にして、秋のG1戦線に望みを繋げたいところだ。