藤田晋氏「2億円大器」が亡き祖父に捧げる圧勝劇! 期待膨らむライバルたちの再戦
10日、中京競馬場の2Rに行われた2歳未勝利(芝2000m)は、1番人気チャンスザローゼス(牡2歳、栗東・中内田充正厩舎)が単勝オッズ1.2倍の圧倒的支持に応えて優勝した。
同馬は、『ウマ娘』の藤田晋オーナーが所有するエピファネイア産駒。ジャパンC(G1)勝ち馬ローズキングダムなどと同じ「バラ一族」の血統であり、2021年のセレクトセールにおいて2億円(税抜)で取引された期待馬だ。
宝塚記念(G1)当日に行われた阪神・芝1800mでデビューし、カルロヴェローチェから2馬身差の2着。ただ翌月の未勝利戦を10馬身差で圧勝するゴッドファーザーに先着したこともあり、今回ダントツの支持を集めたのも当然か。
8頭立ての一戦。スタート後、鞍上の川田将雅騎手はチャンスザローゼスをスッと下げて折り合いに専念。1000m通過は62秒3のスロー。開幕週で前有利の馬場状態を考えると、後方2番手という位置取りにヒヤリとしたファンもいたかもしれない。
だが、ここから1頭だけ次元が違いすぎた。
最後の直線で大外に持ち出し、鞍上が軽く気合いを付けると、前を走っていた6頭を一瞬にして抜き去ってしまう。勢いそのままに後続に3馬身半差をつけてゴールを駆け抜けている。
「ここでは力が一枚も二枚も上でした。ラストは内にモタれたり手前を余計に替えたりと若い面を見せていただけに、まだまだ伸びしろがありそうです。昇級後はもちろん、来春の牡馬クラシック路線でも有力馬の1頭になるのではないでしょうか。
また、チャンスザローゼスの母父は2004年に天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念と秋古馬三冠を決めたゼンノロブロイ。同馬は今月2日に老衰でこの世を去っただけに、亡き祖父に捧げる白星にもなりましたね」(競馬誌ライター)
レース後、川田騎手は「初戦より内容がよかった。我慢して勉強できたレースだった」と話している。馬に競馬を覚えさせ、先に繋がる1勝にすることができたようだ。
期待膨らむライバルたちの再戦
また、本馬が勝利を挙げたことにより、先述した宝塚記念当日の阪神・新馬戦デビュー組は、上位5着までの馬が全て勝ったことになった。
この新馬戦は、2017年から4年連続で勝ち馬が重賞ウィナーになるなど注目度の高いレースだ。昨年はキラーアビリティがここで5着に敗れたものの、暮れのホープフルS(G1)で見事に優勝を果たしている。
「今年も掲示板に載った全馬が勝利を挙げたことで、ネットなどでは『伝説の新馬戦』といった声も上がっていますね。ちなみに勝ち馬のカルロヴェローチェは、24日に中京で開催される野路菊S(OP)に出走を予定しています。
来年のクラシックを目指すのであれば、上位陣はいずれまたどこかで顔を合わせることになるでしょう。軍配がどの馬に上がるのか非常に楽しみです」(同)
カルロヴェローチェが強いのは確かだろうが、今日の競馬を見ればチャンスザローゼスの逆転もありそうだ。いや、案外ゴッドファーザーの方が強いかもしれない……そんな想像を巡らせながら、再戦の日を待ってみたい。