2歳No.1カルロヴェローチェVS今村聖奈が惚れ込む逸材が激突!? ワグネリアン、メイショウサムソンらが勝った出世レースに好メンバー集結

川田将雅騎手

 10日、中京競馬場で行われた2Rの2歳未勝利(芝2000m)は、1番人気のチャンスザローゼス(牡2歳、栗東・中内田充正厩舎)が単勝1.2倍という圧倒的な支持に応えて快勝。上がり3ハロン最速の末脚で、最後は2着馬に3馬身半差をつける圧巻の内容だった。

 昨年のセレクトセールにて、2億円(税抜き)で落札された良血馬が本領を発揮した。最後は流す余裕のある内容だっただけに「勉強ができたレース」と鞍上の川田将雅騎手からも余裕のコメントだ。見据えるのは当然、来年のクラシック。まずは大きな一歩を踏み出した勝利といえるだろう。

 その一方、このチャンスザローゼスの圧勝劇で、またも評価を高めたのが本馬のデビュー戦を勝ったカルロヴェローチェ(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)だ。

 過去にも2017年ダノンプレミアム、2020年ダノンザキッドといった後のG1馬がデビューを飾った宝塚記念(G1)当日に行われた阪神・芝1800mの2歳新馬戦。昨年もここで5着に敗れたキラーアビリティが後にホープフルS(G1)を制している。

 今年もデビュー前から大物と呼び声の高い素質馬が集結。そんな一戦でチャンスザローゼスを2着に破ったのが、カルロヴェローチェだった。それも2馬身差の完勝である。

 さらに、ここで3着だったゴッドファーザーが続く未勝利戦を1.6秒という大差で圧勝。今年も6月から数多くの素質馬がデビューを果たしているが、現時点で来年のクラシック戦線の中心にいるのは、間違いなくカルロヴェローチェだ。

 そんなカルロヴェローチェだが、24日の野路菊S(OP)出走が濃厚になってきた。

 予定されていた札幌2歳S(G3)をソエで回避したものの幸い症状は軽く、仕切り直しの一戦を迎えることになりそうだ。圧倒的な人気が予想されるが、今年の野路菊Sには一筋縄ではいかないだけの好メンバーが揃いつつある。

 まずは6月の新馬戦を完勝したファントムシーフ(牡2歳、栗東・西村真幸厩舎)だ。

和田竜二騎手

 デビュー前から好時計を連発し「現状欠点は見当たらない」と陣営からも絶賛されていたファントムシーフ。その期待に応えるように素質馬が集ったデビュー戦を上がり3ハロン最速の末脚で完勝している。「素直な馬で、成長が楽しみ」と和田竜二騎手が惚れ込む逸材は、後継ぎがいないハービンジャーの後継種牡馬候補に早くも名が挙がるほどの大器だ。

 デビュー戦はマイルだったが、和田竜騎手が「マイルよりも長い距離が良さそう」と話している通り、2000mへの距離延長はむしろプラスか。ここでカルロヴェローチェを破るようなら、一気にクラシックの最有力候補に名を連ねられるだけの存在である。

今村聖奈騎手

 また、今村聖奈騎手とデビュー戦を快勝したスカパラダイスも面白い存在だ。

 絶好調のルーキーとコンビを組んで8月下旬にデビューしたスカパラダイスは、終始積極的な競馬でライバルをリード。向正面で一気に先頭に立つと、そのまま上がり3ハロン最速の末脚で押し切っている。4キロの減量特典を活かした内容だったが、最後は馬が流す余裕のあった3馬身差なら完勝だろう。

 今村騎手も「まだまだ良くなる」と評価しており、継続騎乗になるようなら、ハンデがなくなる特別戦の野路菊Sでどんな競馬を見せるのか注目を集めそうだ。

 他にも川田将雅騎手とデビュー戦を快勝したアリスヴェリテ、単勝165.3倍の低評価を覆してデビュー勝ちしたトーアライデン、未勝利戦を4馬身差で圧勝したトップナイフなど、まだ底を見せていない素質馬が出走を予定している。関係者の間でも「今年は重賞にしてもいいくらいのメンバー」と、早くもちょっとした噂になっているようだ。

 過去にはワグネリアン、ラブリーデイ、ウインバリアシオン、メイショウサムソンといったG1級が勝ち馬に名を連ねている野路菊S。今年は来年のクラシックを占うハイレベルな一戦になりそうだ。

大村克之

稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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