「ミス連発」C.ルメールにすれ違い再び!? 望み薄の凱旋門賞(G1)で蘇る春の悪夢

タイトルホルダー 撮影:Ruriko.I

 今週末、競馬ファンにとっては待ちに待った凱旋門賞(G1)が開催される。全てのホースマン達の「夢」が懸かる特別な一戦である。

 日本からは宝塚記念(G1)で圧巻のレコード勝ちを決めたタイトルホルダーをはじめ、日本ダービー(G1)を制したドウデュース、昨年に続く挑戦となるディープボンド、7歳にして活躍が目立つステイフーリッシュなど4頭が出走するとあって、大きな盛り上がりをみせそうだ。

 もし凱旋門賞を制覇するようなら日本馬にとって初の偉業となる。これまでエルコンドルパサー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴルなどが、悲願まであと一歩の善戦を演じたものの、いずれも2着。何度も世界の壁に阻まれてきた歴史がある。そういった背景もあって、凱旋門賞には特別な思いを持って臨む関係者も多いだろう。

 とはいえ、同日に日本で行われるスプリンターズS(G1)に有力なお手馬がいる騎手にとっては、少々複雑な思いがあるかもしれない。

C.ルメール騎手 撮影:Ruriko.I

「ミス連発」C.ルメールにすれ違い再び!?

 なかでも、凱旋門賞でステイフーリッシュに騎乗予定のC.ルメール騎手は、一番の該当者といえるだろうか。なぜなら仮にスプリンターズSに参戦していた場合、上位人気の一角を担うシュネルマイスターに騎乗していた可能性が高かったからだ。

 無論、ステイフーリッシュで凱旋門賞を勝てば、それは日本競馬史に残る「快挙」であり、大きな脚光を浴びることは確か。とは言っても、これまでG1勝ちのない同馬は現地でもノーマークに近い存在でもある。そういった点を踏まえても、勝利の期待感でいえばタイトルホルダーより見劣る存在であることは間違いない。

 対するシュネルマイスターは安田記念(G1)で惜しくもソングラインの2着に屈したものの、NHKマイルC(G1)制覇など重賞実績はメンバーでも随一を誇る。スプリント重賞は初挑戦とはいえ、人気を集めそうなメイケイエールやナムラクレアより格上の存在だ。結果的にそんな有力馬を手放すことになったのだから、ルメール騎手にとっても凱旋門賞は力の入る一戦となりそうだ。

 また、ルメール騎手の有力馬の乗り替わりで思い出すのは春の悪夢か。

「春G1では、ルメール騎手が主戦を務めていたカフェファラオやジオグリフが福永祐一騎手へと手綱が移り、乗り替わったフェブラリーS(G1)と皐月賞(G1)を勝たれた苦い過去があります。

今回も偶然とはいえ凱旋門賞に騎乗することでシュネルマイスターという有力馬を手放すことになりました。今年は重賞でも不振が目立つルメール騎手ですから、これから始まる秋G1に向けて流れを変える良いキッカケとなりそうでしたが……」(競馬誌ライター)

 一方、今回シュネルマイスターの手綱を取る横山武史騎手にとっては絶好のチャンスと言えるかもしれない。

 断然人気のエフフォーリアで9着に敗れた大阪杯(G1)をはじめ、春のG1シリーズでは悉く人気を裏切ってしまった横山武騎手。重賞勝ちもナミュールのチューリップ賞(G2)のみと悪い流れが続いていたが、先日のオールカマー(G2)でジェラルディーナを重賞初勝利に導き、秋のG1戦線を控え復調の兆しが窺える。

 過去にも、ルメール騎手の代役としてシュネルマイスターとのコンビで安田記念3着、マイルCS(G1)2着と敗れた経験がある。自身3度目の正直を懸けて、「今度こそ」という強い思いがあるだろう。

 凱旋門賞とスプリンターズSでお手馬がブッキングしたために、G1勝利の可能性も高いシュネルマイスターを横山武騎手へ譲ることになったルメール騎手。春に起こった悪夢が再現されてしまうのだろうか。

ハイキック熊田

ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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