「なんであんな乗り方」「血迷った感じ」藤田伸二氏がバッサリ! スプリンターズSで苦言を呈した相手とは

「色んな方々の声を聞き… リスタートする事にしたよ!」

 スプリンターズS(G1)を翌日に控えた先週土曜日、自身のTwitterにそう書き込んだのは元JRA騎手の藤田伸二氏だ。

 約2か月前、藤田氏は突如としてTwitter休止を発表。それ以降、ほぼ毎日更新していたツイートも控えていた。ところが、ファンから復活を熱望する声が本人にも届いたのか、秋のG1シーズンに合わせてTwitterを再開し、ついに戻ってきた。

 スプリンターズS翌日の3日夜には自身のYouTube「藤田伸二チャンネル」で約50分間にわたって生配信を敢行。宝塚記念(G1)以来、約3か月ぶりとなるレース回顧を届けてくれた。

 久々ということもあってか、この日の視聴者はあっという間に1000人を超え、2000人に迫る勢い。この数字を目にした藤田氏はいつも以上に機嫌も良く、饒舌だった。

 まずジャンダルムをG1勝利に導いた荻野極騎手に言及した藤田氏。スタートからゴールまで非の打ちどころのない騎乗を絶賛し、インタビューに答える25歳の謙虚な姿勢にも「好印象の若者」と感心していた。

 他にも2着ウインマーベルの松山弘平騎手と3着ナランフレグの丸田恭介騎手の好騎乗にも触れるなど、この日の藤田氏は後輩騎手たちの手綱さばきを褒めるシーンが目立った。

 1番人気を裏切り14着に敗れたメイケイエールについても「敗因は全く分からない。ホントにはてなマーク」とした上で、「レース運び的には100点満点」と、池添謙一騎手の騎乗には何の問題もなかったという見解を示した。

スプリンターズSで苦言を呈した相手とは…

 一方で、藤田氏の表情を曇らせたのが浜中俊騎手と福永祐一騎手の2人だ。

浜中俊騎手

 特に2番人気ナムラクレアに騎乗した浜中騎手の騎乗を振り返った場面では「ちょっと申し訳ないけど、なんであんな乗り方したのかな」と不満げ。道中で浜中騎手が犯した幾つかのミスを指摘した。

「スタート後、メイケイエールと並んだ時に、一瞬(前に行くか控えるか)躊躇してるのが見えた」と鞍上の一瞬の迷いを見逃さなかった。メイケイエールを先に行かせる形になったのは問題なかったが、4角でメイケイエールの外に持ち出した点については「(メイケイエールが外々に膨れているのは分かっていたはずなので)あそこは内を突いてくるべきだよね」と浜中騎手の進路選択をチクリ。そして「メイケイエールしか見ていなかったね」と、マークすべき相手を臨機応変に変えられなかった点も悔やんだ。

福永祐一騎手

 疑問を呈したもう一人は、6番人気タイセイビジョンに騎乗していた福永騎手である。近走は川田将雅騎手を背に堅実な末脚で上位争いを演じていたタイセイビジョンだが、この日もいつも通り後方からの競馬で、特に見せ場もなく13着に敗れた。

「棚ぼたで回ってきた代打だったのなら、いつもと違うレースが見たかった」と藤田氏。川田騎手とのコンビでは追い込み一辺倒の競馬をしていたが、代打という立場なら少し違う面を引き出す工夫を見たかったようだ。

 勝負所での進路取りについても、「ナランフレグと同じところにいたが、4角で外に出したいのか、内に入れたいのか、なんか血迷った感じだったかな」と厳しい言葉が続いた。その目には福永騎手の騎乗がどこか中途半端に映ったようだ。

 レース回顧に備えて何度もレース映像を見直したという藤田氏は、他にもダイアトニックに騎乗した岩田康誠騎手への感想やシュネルマイスターの敗因、さらに凱旋門賞(G1)の雑感などにも動画内でたっぷり言及している。

 3か月前と変わらぬ元気な姿、そして忖度なしの解説を披露してくれた。元騎手の視点からの解説は馬券のヒントにもなるかもしれない。もしまだの人がいればぜひ視聴することをオススメしたい。

中川大河

競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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