大本命ソダシ「敗因」はベテラン騎手の暴走!? 主戦騎手も計算外の“向こう見ず”に酷評

岩田康誠騎手

 15日、東京競馬場で行われた府中牝馬S(G2)は、12番人気の伏兵イズジョーノキセキ(牝5歳、栗東・石坂公一厩舎)が勝利。本馬だけでなく、管理する石坂厩舎にとっても嬉しい重賞初勝利となった。

「この馬の末脚だからこそ勝てました」

 レース後、殊勲の立役者となった岩田康誠騎手は、これで今年の重賞6勝目。G1勝ちこそないが、大舞台の勝負強さを改めて見せつけた格好だ。G1・3勝のソダシを最後の最後に捕らえたゴール後にはド派手なガッツポーズも飛び出し、この騎乗には元JRA騎手の安藤勝己氏も「これぞ岩田ヤスナリやな」と手放しで称賛している。

 また岩田康騎手といえば、秋競馬の開幕を飾った京成杯オータムH(G3)でも、同じく12番人気のミッキーブリランテを2着に導く好騎乗。レースの流れを読み切り、道中から積極的にハナを奪った大胆騎乗は記憶に新しいところ。レース後には競馬ファンだけでなく、各メディアからも絶賛された。

田中勝春騎手

大本命ソダシ「敗因」はベテラン騎手の暴走!?

 一方この日、あの時の岩田康騎手のように道中でハナを奪う積極策を見せながらも酷評されてしまったのが、同じベテランの田中勝春騎手だ。

 騎乗していたローザノワール(牝6歳、栗東・西園正都厩舎)はゲートでやや出負けし、好スタートを決めたライティアにハナを奪われてしまう。そこから田中勝騎手が必死に手綱をしごいてハナを奪い返したものの、レースはすでにスタートから400mを通過しようとしていた。

 結局、何とか主導権を握ったローザノワールだったが、1000m通過が57.9秒というハイペースになってしまった影響もあって、最後の直線は早々に後退……。15着という最下位に終わってしまった。

「まるで先週の毎日王冠(G2)のリプレーのようなレースになってしまいました。今回の府中牝馬Sと同じ東京の芝1800mのレースですが、レッドベルオーブが同じように1000m通過57.9秒のハイペースで逃げて、やはり最下位に敗れていました。

ローザノワールはここまでハナに立って結果を残してきた馬ですし、あれだけ強引に行ったということは陣営の意向もあったのかもしれません。いずれにせよ、やはり少々無理があったと言わざるを得ませんね……」(競馬記者)

 記者はそうフォローしていたものの、レース前には西園正調教師から「スタートは速い。自分のペースで運んで、どこまで」と期待を寄せられていたローザノワール。しかし、肝心のスタートで出負けしてしまい、ハナに立ったものの到底「自分のペース」とは言えない結果になってしまった。

吉田隼人騎手も驚いた“向こう見ず”に酷評

 そういった経緯があってか、レース後には競馬ファンからもSNSや掲示板を通じて田中勝騎手の騎乗に疑問の声が散見された。

 9番人気の伏兵だけに仕方ない面もあるはずだが、単勝1.9倍の大本命ソダシの吉田隼人騎手が「イメージよりレースが流れて『ついて行くのはマズイ』と思って1列下げましたが、流れたのは誤算でした」とハイペースを敗因に挙げたこともあってか、レース後には「負けたのはカツハル(田中勝騎手)のせい」「レースを壊した」など、ローザノワールと田中勝騎手に酷評が集まってしまった格好だ。

 とはいえ、ソダシの須貝尚介調教師も「さすがは岩田くん。ベテラン(の技)だね」と勝者を称えていたように、イズジョーノキセキの勝利は岩田康騎手の好騎乗があってこそ。今回は残念な結果になってしまったローザノワールと田中勝騎手だが、今後も積極的にハナを狙っていくはずだ。

銀シャリ松岡

天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

関連記事

競馬最新記事

人気記事ランキング 5:30更新

競馬

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS