【ファンタジーS(G3)展望】今村聖奈「初G1へ」ミカッテヨンデイイ出陣! アロマデローサVSブトンドールの大物同厩対決にも注目
11月5日(土)の阪神競馬場では2歳牝馬による重賞、ファンタジーS(G3)が行われる。今年は池添学厩舎の2頭が中心となりそうだ。
まずは福永祐一騎手が主戦を務めるアロマデローサ(牝2歳、栗東・池添学厩舎)。2連勝の勢いそのまま重賞制覇を成し遂げるかが注目されている。
小倉の新馬戦(1200m)を危なげない内容で快勝し、ききょうS(OP)へと歩を進めた。道中は5番手で運ばれると、最後の直線では馬群を割るように進出。ライバルとの追い比べを制して勝利している。中京・芝1400mの2歳コースレコードを更新する見事な走りを見せた。
レース後、辛口で知られる福永騎手も「競走馬として優秀です。完勝でした。教えることはないですね」と、素質あふれる相棒を絶賛している。
父は高松宮記念(G1)連覇など1200~1400mの重賞戦線で活躍したキンシャサノキセキ。産駒は父同様の高い短距離適性を持つ傾向にあり、その大半がスプリント戦で勝利をあげている。
もう1頭が函館2歳S(G3)を勝ったブトンドール(牝2歳、栗東・池添学)だ。
稍重の馬場で行われた函館の新馬戦では、3番手で進むと最後の直線で上り最速の脚を使って快勝。馬場を苦にしない力強い走りを見せた。
そして中1週で函館2歳Sへ。小雨舞う中で行われた一戦でブトンドールは鮫島克駿騎手を背に、前半は後方に控えるもジリジリと馬群の外側から進出を開始。最後の直線でもその脚色は衰えることなく、逃げていたクリダームを交わして見事に勝利をあげている。
こちらも父がスプリント戦線を席巻したビッグアーサーということもあり、スプリント適性は十分のようだ。これまでは力いる洋芝の経験しかないが、速い時計が出る阪神でそのパワフルな走りができるかが肝となるだろう。
その2頭に続くと見られているのが、ダイワメジャー産駒のバレリーナ(牝2歳、栗東・清水久詞)だろう。
連投で臨んだ前走の小倉2歳S(G3)では13頭中9番人気という評価を覆す激走で2着。ロンドンプランの後方一気に交わされて涙を飲んだものの、三連単の配当が37万6700円という波乱の立役者の一頭となった。
レース後、騎乗した団野大成騎手は「右にモタれる面や道中のハミの収まりなどの若さは、(今後の)成長に期待ですね」と、まだまだ伸び代は十分にあると明かしている。
今回、鞍上を務めるのは騎手リーディング首位を独走する川田将雅騎手。名手は相棒を勝利へとエスコートすることはできるのだろうか。
これらの他にも今村聖奈騎手とのコンビで注目されているミカッテヨンデイイ(牝2歳、美浦・堀内岳志厩舎)、アロマデローサ相手に2度も2着に終わり3度目の正直が期待されるクインズエルサ(牝2歳、栗東・西村真幸厩舎)、名手C.デムーロ騎手が騎乗するトゥーテイルズ(牝2歳、栗東・藤原英昭厩舎)なども虎視眈々と上位を狙う。
実力拮抗の牝馬限定戦、勝って阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)へとはずみをつけるのはどの馬になるのだろうか。発走は5日(土)の15時45分を予定している。