ジャパンC後にグランドグローリー購入も…凱旋門賞馬ですらズッコケた苦い記憶
27日に行われるジャパンC(G1)を前に驚きのニュースが届いた。前年の5着馬フランス馬のグランドグローリーが、今年のジャパンCを最後に引退し、その後は社台ファームで繁殖入りすることが分かったのだ。
レース後に引退し、繁殖セールに上場される予定だったが、社台ファームが権利を購入したため、日本で繁殖入りすることとなった。
スピード重視の日本で行われるジャパンCとパワー重視の欧州で行われる凱旋門賞(仏G1)は、それぞれ異なる馬場適性が問われるレース。いずれも5着に好走して抜群の適応性を見せていたグランドグローリーだけに、生まれる産駒には凱旋門賞制覇の夢も懸かるだろう。
フランスでG1勝ち実績もあるグランドグローリーだが、今年のジャパンCで主役と目されているシャフリヤールと直接対決で1勝1敗のイーブン。ドウデュースやアルピニスタにイクイノックスなど、トップクラスの実力馬が回避した今年は、三冠馬コントレイルのいた昨年より戦いやすいメンバーともいえそうだ。
その一方で社台ファームの購入で思い出されるのが、2020年12月に日本に輸入され、2021年より社台ファームで供用されているデインドリームだ。
凱旋門賞馬ですらズッコケた苦い記憶
同馬は2011年のジャパンCを1番人気で6着に敗れたが、その前走の凱旋門賞を2着に5馬身差をつけて圧勝した世界トップレベルの実力馬。凱旋門賞だけでなく、キングジョージ6世&QES(英G1)やバーデン大賞(独G1)連覇を考えれば、前述したグランドグローリーと比較にならないほどの実績の持ち主だった。
それだけに同馬の産駒に懸けられた期待も相当大きかったと考えられるが、そんな超大物でも繁殖入り後は、まだこれといった活躍をする産駒に恵まれていない。
2014年に生まれた初年度産駒はデビューすることなく不出走のまま引退。2番仔ソリッドドリームも中央で芽が出ず地方に移籍するも3戦未勝利のまま引退、3番仔と4番仔も精彩を欠き、5番仔オンラインドリームもデビュー勝ちしたものの、5戦1勝と結果を残せずにターフを去った。数年の時を経て初仔のナッシングバットドリームズがルージュエヴァイユを出した程度である。
現役時代に突出した成績を残した馬が、必ずしも種牡馬や繁殖牝馬として成功するとは限らないとはいえ、どうしても往時の輝かしい栄光と比べると物足りなさを感じてしまうのは仕方のないことかもしれない。
それだけにグランドグローリーも、今年のジャパンCで昨年以上の走りを見せられるようなら母としての期待も必然的に大きくなる。そういう意味でも今年のジャパンCで日本の馬場への適性をさらにアピールしたい。
購入を決断した社台ファームとしても、デインドリームでズッコケた苦い記憶を上書きしたいところだろう。