福永祐一「13年ぶり」陥落目前の危機…かつての相棒が活躍も自身は空回り
27日、東京競馬場で行われたジャパンC(G1)はR.ムーア騎手騎乗のヴェラアズールが勝利。これで10月末に短期免許の外国人騎手が来日して以降、G1レースは外国人ジョッキーの4連勝となった。
そのジャパンCでは日本馬が掲示板を占め、凱旋門賞(仏・G1)のリベンジを果たしたが、同日の勝利騎手に目をやると、12レース中8レースが外国人騎手の勝利と“騎手版ジャパンC”は海外勢の圧勝に終わっている。
とはいえ、当日の東京競馬場では10人もの外国人騎手が騎乗していた。全12レースの人気馬(3番人気以内)36頭の内19頭が外国人ジョッキーの騎乗馬で、そんな中4勝を挙げた日本人騎手にも敬意を評したいところだ。
一方、裏開催の阪神競馬場で騎乗していたのが福永祐一騎手だ。秋競馬の中距離路線は、シャフリヤールと天皇賞・秋(G1)で騎乗する可能性もあったが、最終的にジオグリフとコンビを組んだ。
シャフリヤールの鞍上にはC.デムーロ騎手が収まり、ジオグリフも天皇賞の後は香港C(G1)への転戦が決まったため、福永騎手はジャパンCの騎乗馬なしとなってしまっていた。
そういった事情もあって裏開催の阪神で騎乗していた福永騎手だが、6Rの新馬戦(芝2000m)では1番人気のハーパーに騎乗したものの、結果を残せなかった。
ゲートを決めて絶好のポジションから進めたが、4角で先頭付近まで並びかけようとした際、外に大きく膨れてしまうロス。直線では再び伸びを見せて勝ち馬のクビ差まで迫るも2着まで。この日唯一の1番人気馬で惜敗を喫した。
10番人気キルロードに騎乗した京阪杯(G3)はゴール前でトウシンマカオに差し切られてこちらも2着。人気以上の好結果ではあったが、JRA重賞36連敗からの脱出も懸かっていただけに、悔しさが上回っているかもしれない。
結局、福永騎手は土日合わせて12鞍に騎乗しながら2着2回で未勝利に終わった。中々悪い流れを抜け出せない週末となったが、2022年の年間成績でも“窮地”に立たされているという。
「13年ぶり」陥落目前の危機…
「裏開催での騎乗は決して本意ではなかったでしょうが、福永騎手にとっては大きなチャンスでもありました。現在のリーディングは94勝の第6位。今週4勝を挙げ、101勝で第5位のC.ルメール騎手とは大きく差が開いてしまいましたね。
安定感がウリの福永騎手は現在12年連続でリーディング5位以内をキープしています。残り1ヶ月での7勝差は厳しいところです。下からは岩田望来騎手、坂井瑠星騎手といった若手も追い上げてきており、ラストスパートの爆発力が求められるでしょう」(競馬誌ライター)
ジャパンCでワンツーを決めたヴェラアズールとシャフリヤールは福永騎手が新馬戦の鞍上を務めた馬で、特にシャフリヤールはともにダービーを制した相棒だ。彼らが大舞台で躍動する陰で、自らは勝ち星を積み上げることができなかった。
今週のチャンピオンズC(G1)では人気の一角・クラウンプライドに騎乗し、G1の舞台へ戻ってくる福永騎手。リーディング5位の奪取と、重賞の連敗ストップという2つの命題を背負った師走の戦いで、ベテランの意地が見られるか注目だ。