横山典弘まさかの「平常運転」にファン落胆…三度目の正直で悪癖再発のワケ
27日、阪神競馬場で行われた京阪杯(G3)を制したのは、若手の実力派として頭角を現している鮫島克駿騎手とトウシンマカオのコンビだ。これで初コンビだった前走のオパールS(L)に続く連勝。今後のスプリント戦線でさらなる活躍に期待できそうだ。
「プレッシャーはありませんでした。後ろを気にしつつ追い出しを待ちつつ、タイミングを見ながら追い出して完勝でした。来年スプリント戦線を賑わせてくれるのは間違いありません。またコンビを組ませていただけるのであれば、全力でこの馬の力を出せるように頑張ります」
レース後に鮫島駿騎手がそう振り返った通り、ゴールを待たずにガッツポーズが飛び出した快勝。追い切りに跨るために美浦に駆け付けていたことからも、状態のよさに相当な自信があったのだろう。
1番人気に推されたトウシンマカオがファンの期待に応えた一方で、同馬に続く2番人気の支持を集めていたサンライズオネスト(牡5、栗東・河内洋厩舎)は、後方のまま13着に大敗を喫した。
志願騎乗でコンビ結成したと言われている横山典弘騎手とコンビを組んだ近2走は、セントウルS(G2)で3着、オパールSを2着と相性の良さを見せていたサンライズオネスト。それだけに三度目の正直に期待するファンも少なくなかったに違いない。
まさかの「平常運転」にファン落胆…
しかし、いざレースが始まるとスタートで出遅れ。そのままポジションを上げることもなく、最後方に近い位置から直線で3頭を交わしただけの13着に大敗してしまった。逃げたビアンフェが飛ばしたとはいえ、3着以内に入った馬は直線で5番手以内につけた馬ばかりだったように、先行勢に有利なレース展開。スタートで後手を踏んだ時点で、すでに苦しい状況だったことは間違いない。
ただ、見方によっては無気力に映った横山典騎手の騎乗については、一部のファンからネットの掲示板やSNSなどで「まさかのポツン」「マジメに乗れ」「平常運転でした」といった不満の声も聞かれた。
確かにサンライズオネストに騎乗した際の横山典騎手は、もはや“伝統芸”になりつつある「後方ポツン」をしたこともなく、ソツのない騎乗で馬券圏内に持ってきていた。いい意味での「二度あることは三度ある」ではなく、悪い意味での三度目の正直といえる結果だったかもしれない。
ただ、「馬と会話ができる」といわれている大ベテランだけに、レース後のコメントでは横山典騎手らしいコメントを残してくれた。
「レース以前の問題です。ゲートを蹴って、蹴って、出られる態勢ではなかった。今日は特に機嫌が悪かった」
コメントの内容からも伝わる通り、横山典騎手以前にサンライズオネストの方が、ご機嫌斜めだったというなら仕方がない。馬のことを思えば、スプリント戦を出遅れた段階で大きなビハインドである。走る方に気持ちが向かない馬を無理に叱咤激励しても、肉体的にも精神的にもダメージが残ると判断したのかもしれない。
賛否の分かれる“後方ポツン”だが、これまではレース後にコメントを残してくれなかった横山典騎手だけに「今日は特に機嫌が悪かった」という説明があったのはよかった。「典さんがそういうなら、おそらくそうだったのだろう」と納得させられてしまったのは私だけだろうか。