有馬記念の「サイン」は優勝国にあらず!?「W杯の法則」で穴馬2頭に要注意

 世間ではクリスマス真っ只中となる今週末の25日、競馬界では中山競馬場で有馬記念(G1)が開催される。

 天皇賞・秋(G1)を制したイクイノックスをはじめ、昨年の覇者エフフォーリアや宝塚記念(G1)をレコード勝ちしたタイトルホルダーなど、年末のグランプリに相応しい豪華メンバーが集結。毎年のように役者が集う「お祭りレース」とあって、普段競馬とは無縁でも馬券を購入する方も多い。

 そんな有馬記念の馬券を考慮する上で、例年話題に上がるのが「サイン馬券」だ。

 何故「サイン馬券」が話題になるのかは、過去の歴史からも納得がいくだろう。例えば、アメリカで同時多発テロが起こった2001年の有馬記念では、「マンハッタン」カフェと「アメリカン」ボスがワンツー。アメリカに関係する馬名同士で決着した話は、あまりにも有名である。

 また、2010年には当時相撲界の横綱だった「白」鵬関が来場したが、1枠(白帽子)1番のヴィクトワールピサが勝利。同馬の母が「ホワイト」ウォーターアフェアだったこともあり、「白」に纏わるサインがあったと大きな話題を呼んだ。

 上記で挙げた2例だけに限らず、これまでの有馬記念でサインが発動した例は決して少なくない。このサインを紐解くことができれば、馬券的中に一役買うといっても過言ではないだろう。

 そこで気になるのは今年のサインだ。有力候補として考えられるのは、先日終了したばかりのサッカーW杯か。「36」年ぶりに優勝したアルゼンチンにちなんで馬番の「3番」「6番」や、国旗の色(白と水色)に関係しそうな「1枠」(白帽子)と「4枠」(青帽子)など、様々な角度からサインを感じられる。

 ただ真っ先に思い浮かぶのは、前走でアルゼンチン共和国杯(G2)を制したブレークアップ(牡4、美浦・黒岩陽一厩舎)かもしれない。ネットの掲示板やSNS等でも「アルゼンチン優勝で浮上」「この馬がサインだ」と、サイン馬券としてこの馬に期待する声が多く上がっている。

 偶然とはいえその実力も侮れない。今年のサンシャインS(3勝クラス)では、ジャパンC(G1)を勝ったヴェラアズールに先着した。有馬記念と同じ芝2500mの距離でも、4戦して3着以内を外したことがない安定感も魅力。大駆けの可能性も十分あるだろう。

 しかし、サッカーW杯と有馬記念の歴史には不思議な関係性があることを忘れてはならない。2000年以降にW杯が行われた年の有馬記念では、馬名9文字の馬が必ず勝利しているのだ。

■サッカーW杯が開催された年の有馬記念勝ち馬

(※2000年以降)
2018年 ブラストワンピース
2014年 ジェンティルドンナ
2010年 ヴィクトワールピサ
2006年 ディープインパクト
2002年 シンボリクリスエス

 あくまで偶然とはいえ、5回連続している傾向なら一考の余地はあるだろう。特に、2010年にヴィクトワールピサが勝利した際は、2着ブエナビスタとの着差は約2センチだったともいわれている。

 そして、今年の出走メンバーの中で馬名9文字に該当するのは、イズジョーノキセキ(牝5、栗東・石坂公一厩舎)とジャスティンパレス(牡3、栗東・杉山晴紀厩舎)の2頭のみ。どちらも配当的な妙味も期待できそうな馬だけに面白そうだ。

 イズジョーノキセキは2走前の府中牝馬S(G2)でG1・3勝のソダシを撃破しており、ジャスティンパレスもレコード決着となった菊花賞(G1)で3着に入った実力馬。どちらも当日は人気薄となりそうだが、大金星があって不思議ない存在だ。

 アルゼンチンがサッカーW杯を優勝し、サイン派としてはアルゼンチン共和国杯を勝ったブレークアップに目が行きがちだが、本当に注意すべき馬はこの2頭なのかもしれない。

ハイキック熊田

ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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