オークス(G1)「終わってみれば簡単」のオチに要注意!? 気付いていれば先週は1点で的中も…唯一「リバティアイランドより切れた」馬が赤丸急上昇

先週末のヴィクトリアマイル(G1)は、戸崎圭太騎手の4番人気ソングラインが、懸命に粘り込みを図る3番人気ソダシをアタマ差交わして優勝。3着に1番人気スターズオンアースが入る順当な決着に終わった。
昨年の二冠牝馬が人気を集めたとはいえ、勝ち馬のソングラインは昨年の安田記念(G1)を牡馬相手に優勝した実力の持ち主。2着のソダシも昨年のヴィクトリアマイルを制した馬だったのだから、頭を悩ませたのも結果的に徒労だったような気がしてならない。
また、3着に敗れたスターズオンアースにしても、C.ルメール騎手が「マイルのスペシャリストが相手では分が悪い」「この馬は2000m以上が合っています」と振り返っていたように距離が短かったのだろう。
ただ、終わってみればこの結果は、あまりにも「簡単過ぎた」ように感じられるのは気のせいだろうか。
ヴィクトリアマイルに出走した馬の中で、G1勝ち実績を持っていた馬は、3勝しているソダシ、2勝のスターズオンアース、1勝のソングライン(今回のVMで2勝目)、スタニングローズの4頭しかいなかった。能力の極限まで要求されるG1の舞台だけに、底力が明暗を分けたともいえよう。何も考えずにこのまま購入したなら、3連複1点で的中も夢ではなかったはずだ。
この中でマイルG1、東京コースのG1を未勝利だったのはスタニングローズのみ。本馬に関しては、スターズオンアース以上に中距離寄りのタイプ。スピード重視のマイル戦で追走に苦労するシーンも見られた。
前哨戦のパフォーマンスを評価されたナミュールについては、スタート直後に内側に斜行したソダシの影響で痛恨の不利を被った事情もあって7着に敗戦。もしスムーズなレースが出来ていればと思いもするが、仮定の話をしても虚しいだけである。

ヴィクトリアマイルで不完全燃焼に終わったナミュールの無念を晴らすべく、密かに爪を研いでいるのが、21日のオークス(G1)に出走を予定しているラヴェル(牝3、栗東・矢作芳人厩舎)だ。
本馬の母はナミュールと同じくサンブルエミューズである。ハービンジャー産駒の姉に対し、こちらはイクイノックスやソールオリエンスらの活躍でブレイク中のキタサンブラック産駒。断然人気が確実視されるリバティアイランドはドゥラメンテ産駒だが、ラヴェルも血統的な魅力は引けを取らないはずだ。
その一方で、両馬の人気については大きな隔たりもある。阪神ジュベナイルF、桜花賞とG1を連勝したライバルに対し、ラヴェルはいずれも11着と連敗中。惨敗続きに2頭の勝負付けはとっくに終わっていると考えるファンも少なくないだろう。
ただ、オークスに向けた最終追い切りの内容は圧巻だった。坂井瑠星騎手を背に追われた栗東の坂路で4ハロン52秒4-12秒0の自己ベストをマーク。推進力溢れる走りと、しなやかなフットワークで駆け上がる様子は、一目見て絶好調を思わせる内容だ。少なくとも、ここ2戦で惨敗の続いている馬には映らなかった。これはもう赤丸急上昇といったところだ。
また、先述のヴィクトリアマイルが実績馬同士の「簡単過ぎるオチ」だったことを思い返せば、ラヴェルの激走があったとしても納得できる材料もある。何しろ本馬は圧倒的な強さを見せる桜の女王が唯一の敗戦を喫した相手だからだ。
両馬の初顔合わせとなった昨年のアルテミスS(G3)。内枠に入ったリバティアイランドの川田将雅騎手は、最後の直線で外にいたミシシッピテソーロを捌き切れず、進路の確保に手間取った。
馬群でもがく大本命を尻目に、大外から豪快に突き抜けたのがラヴェルだ。
しかもスタートで出遅れたラヴェルは、後ろから2番手の追走を強いられたため、リバティアイランドを追いかける展開。にもかかわらず、女王の追撃を振り切って見せたのだ。何とか進路を確保したリバティアイランドも、ライバルに上がり3ハロン最速となる33秒0の鬼脚を使われては、どうしようもなかった。
ラヴェルにとって条件が好転する材料はまだある。近走の連敗は阪神コースであり、枠順も阪神JFが8枠18番で桜花賞も8枠17番と不利な外枠だった。ただでさえ、スタートが苦手な馬にとって、外が伸びにくい阪神コースは向かなかった可能性も高い。
かつて女王相手に大金星を挙げた東京なら、一発を期待したくなる存在だ。
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