【日本ダービー(G1)展望】「青き彗星」アドミラブルが混迷極める競馬の祭典を切り裂く!? 皐月賞馬アルアインの2冠は!? 予測不能「頂点」に立つのは誰だ!
まさかこの馬が、レコードが出るような高速馬場で激走するとは誰が想像しただろうか。ここまでサウジアラビアRC(G3)の2着、きさらぎ賞(G3)3着と雨を含んだ重い馬場での活躍が目立っていたダンビュライト。しかし、皐月賞では好位から脚を伸ばして、最後まで首位争いに加わった。
この走りに陣営は「想像以上」と舌を巻き、武豊騎手でさえ「いい意味で認識を改める必要がある」と大きな手応えを得たようだ。もともと「距離が伸びてこそ」といわれていた馬だけに2400mは歓迎。歴代最多の5勝を誇る天才騎手が、さらなる記録更新を目論む。
ここまではまさに池江厩舎VS音無厩舎といった構図だが、池江軍団の”第三の矢”サトノアーサー(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)も強烈なインパクトを持っている。
2歳12月のシクラメン賞(500万下)を上がり3ハロン32.7秒という鬼脚で圧勝し、2月のきさらぎ賞に駒を進めた際は、昨年のグランプリホース「サトノダイヤモンドの再来」とまで称された大器。だが、きさらぎ賞は雨に泣き、毎日杯では出遅れてアルアインを捕まえきれなかった。
だがその後、無理をせず皐月賞をパス。目標を日本ダービー1本に絞ったことで、ここにきて不気味さが増している印象だ。ハマった時の末脚は、紛れもなく世代トップレベル。皐月賞でワンツーを決めた師が「良馬場ならサトノアーサーがNo.1」とまで惚れ込んだ逸材が、いよいよG1の舞台でベールを脱ぐ。
他にも以前から「ダービー向き」といわれているスワーヴリチャード、休み明けの皐月賞で5着と能力を示したレイデオロ、プリンシパルSを勝ったダイワキャグニー、弥生賞馬のカデナなど、伏兵陣も世代の頂点に立って不思議ではない有力馬揃い。
一時はレベルを疑問視された今年の3歳牡馬だが、ここにきて皐月賞・青葉賞とレコードタイムを更新してレベルの高さを証明。この頂上決戦・日本ダービーでどれほど進化した姿を見せてくれるのか。独特の緊張感と期待感に溢れたレースになりそうだ。
突如現れた「青き彗星」アドミラブルによる勢力図激変か、それとも「3冠の資格を持つ」アルアインの世代統一か、はたまたリベンジを狙うライバルの台頭か――。
競馬の祭典・日本ダービーは28日(日)の15時40分に東京競馬場で発走予定だ。