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「父ディープはいきなり2.2億円」種牡馬コントレイルがセレクトセールデビュー!「21頭の大攻勢」もノーザンファーム産は争奪戦必至?

「父ディープはいきなり2.2億円」種牡馬コントレイルがセレクトセールデビュー!「21頭の大攻勢」もノーザンファーム産は争奪戦必至?の画像1
コントレイル

 今年もセレクトセールが来週10、11日に迫ってきた。

 毎年日本だけでなく、世界中のバイヤーが注目する世界最高峰の競走馬セリ市。今年のセレクトセール2023にも億超え確実とみられる良血馬が多数スタンバイしているが、中でも注目を集めているのが、“セレクトセールデビュー”となるコントレイル産駒だ。

 日本史上3頭しかいない無敗の三冠馬に輝いたコントレイル。昨年引退後に種牡馬入りし、初年度の種付け料はいきなりの1200万円。これは現在エピファネイアの1800万円に次ぐ国内2位タイであり、同じく無敗で三冠馬となった父ディープインパクトのスタート時と同額である。

 これだけを見ても、コントレイルが競走馬としてだけでなく、種牡馬としても歴史に名を連ねる存在になってほしいという関係者の期待がひしひしと感じられる。新種牡馬最多となる193頭が種付けされ、注目のセレクトセール上場予定馬は21頭。2日目の当歳セールでは最も上場数が多い“大攻勢”となった。

 注目の上場馬を紹介する前に、まずはコントレイルの種牡馬としての傾向を推測したい。

 母ロードクロサイトに流れるUnbridled’s Song ×Tiznow ×Storm Catは北米のハイレベルな血脈。父がディープインパクトでなければ、ダートでの活躍を期待したくなる構成だ。父は芝2417勝に対して、ダートが259勝(6日現在)と大きく芝に傾いたが、“2世”の産駒からはダート活躍馬も出ているため、コントレイルからも多くのダート活躍馬が出るかもしれない。

 また、現役時代に管理した矢作芳人調教師、主戦の福永祐一騎手が「本質的にはマイラー」と口を揃えていた通り、3000mの菊花賞(G1)を勝っているものの本質的にはスピードタイプと言えそうだ。

 実際にディープインパクト×Unbridled’s Songの活躍馬はダノンプラチナ(賞金順2位)が朝日杯フューチュリティS(G1)を勝ったA級マイラー。サイレントソニック(賞金順3位)は2400mのオークス(G1)で大敗した後、1200mを中心に活躍した。ただし、全弟にあたるサンセットクラウドが今年5月に行われた2400m(2勝クラス)を快勝するなど、2400m以上を主戦場としている。上記の組み合わせの中では、スタミナ面に優れた血統と言えそうだ。

「21頭の大攻勢」もノーザンファーム産は争奪戦必至?

 以上を踏まえた注目馬として、まずはシーズアタイガーの2023(牝)を挙げたい。

 兄は昨年の東京スポーツ杯2歳S(G2)2着、今年の共同通信杯(G3)3着と活躍しているダノンザタイガー(牡3)。セレクトセール2020で2億9,700万円(以下、税込)で取引されたことで注目を集めたが、昨年のセレクトセールに上場された妹(父エピファネイア)が牝馬としてはセール史上3位となる3億800万円で取引されるなど、その人気は未だ高い。シーズアタイガーの2023も牝馬だが、注目のコントレイル産駒として各所で名が挙がっている通り、今年のセールの高額ランキングに名を連ねる可能性は十分といえるだろう。

 次にピックアップしたいのが、コンヴィクションIIの2023(牡)だ。

 母コンヴィクションIIはアルゼンチンのG1勝ち馬。兄弟ではドゥラメンテ産駒の兄レヴェッツァが3勝している程度だが、サザンヘイローを持つアルゼンチン血統とディープインパクトの相性は良く、マカヒキやサトノダイヤモンドらがいる。何より、合計21頭が上場されるコントレイル産駒だが、ノーザンファームの生産馬は上記のシーズアタイガーを含めて4頭しかいない。本馬はわずか2頭の牡馬であり、2月生まれと早期の活躍が見込める。これだけを見ても争奪戦になる可能性が高いはずだ。

 ノーザンファーム産以外で注目したいのが、飛野牧場産のリトルブックの2023(牝)だ。

 飛野牧場といえば、2019年に日本ダービー(G1)を制したロジャーバローズが有名だが、本馬はその半妹。母からはロジャーバローズ以降、目立った活躍馬が出ていないが、一族にはジェンティルドンナ、ジェラルディーナの母娘も名を連ねており、いつ大物が出ても不思議ではない。ちなみに母リトルブックはジェンティルドンナの母ドナブリーニの妹にあたる。

 コントレイルの種牡馬としてのスピードが試されるのが、ケンホープの2023(牡)だ。

 社台ファーム産の本馬は半姉にフィリーズレビュー(G2)勝ちのプールヴィルがいる。他にもデイリー杯2歳S(G2)で3着したスーパーホープがおり、マイル以下の活躍が期待できる血統だ。早期からの活躍はもちろん、どういったカテゴリーに進むかまで注目したい。


 ちなみにコントレイルの父ディープインパクトの産駒が初めてセレクトセールに登場したのは2008年。ビワハイジの2008が2億2000万円で落札されるなど、ド派手なデビューとなったが、億超えは意外にも4頭と比較的落ち着いた結果だった。だが、後の産駒の活躍を鑑みれば、むしろ“お買い得”だったと言えるかもしれない。

 果たして、今年のセレクトセールの目玉といえるコントレイル産駒には、どういったジャッジが下されるのか。史上3頭目の無敗三冠馬のセカンドステージ、その“前哨戦”がいよいよ近づいてきた。

GJ 編集部

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