
横山典弘VS武史の「親子対決」が実現!ソールオリエンスが克服すべきタイトルホルダーとの違い…「菊花賞の勝ち方」教えた父が握るカギ

8月の札幌記念(G2)で9番人気の低評価を覆して2着に好走したトップナイフ(牡3、栗東・昆貢厩舎)。4馬身差で圧勝したプログノーシスの強さの目立つレース内容ではあったが、4コーナーで先頭に立ったトップナイフも十分な見せ場を作った。
手綱を取った横山和生騎手が「狙い通りでしたが、相手が悪かったです」と完敗を認めた一方で、管理する昆調教師はジョッキーの好騎乗を称賛しつつ、「正直ビックリしています」「ここまでやれると思いませんでした」「これで秋が楽しみになった気がします」とトップナイフの激走に高い評価を下した。
師のコメントからも「想定外」の大健闘だった可能性も高いが、「秋は菊花賞を目標に考えています」と宣言したのだから、潜在能力の高さを再認識したのかもしれない。
ただ、少々意外だったのは、菊花賞(G1)でコンビを組むパートナーとして、札幌記念で好騎乗した横山和騎手ではなく、父の横山典弘騎手が起用されたことだ。
勿論、トップナイフはデビューから3戦に横山和騎手が騎乗し、その後に横山典騎手が7戦連続で騎乗していた馬。前走で横山和生騎手が再登板したのも、これまでの経緯を踏まえると不思議なことではない。
少し引っ掛かることといえば、落馬による負傷で戦列を離れていた横山和騎手が、オールカマー(G2)のタイトルホルダーに騎乗するため、10月22日の菊花賞なら間に合ったのではないかと感じた程度だ。

また、タイトルホルダーは、横山武史騎手とのコンビで2年前の菊花賞を制し、バトンを受け継いだ兄の横山和騎手が、翌年の天皇賞・春(G1)や宝塚記念(G1)で勝利に導いた。いずれも積極的な位置取りで後続を置き去りにする強い勝ち方。彼らの騎乗に1998年の菊花賞を圧勝したセイウンスカイの姿を重ねたファンもいたのではないか。
この年の菊花賞は武豊騎手に初のダービージョッキーのタイトルをプレゼントしたスペシャルウィークが単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持されたが、ライバルに3馬身半の差をつけて悠々と逃げ切ったのが、横山典騎手のセイウンスカイだ。前半1000mで軽快なラップを刻みつつ、中間でしっかりと息を入れ、最後に再加速してセーフティーリードを取る巧みなペース配分もひと際目を引いた。
こうして振り返ると、タイトルホルダーに騎乗した息子2人も、「父の教え」を再現しているかのような騎乗に映った。
ソールオリエンスが克服すべきタイトルホルダーとの違い…
これに対し、今年ソールオリエンスの主戦を務める横山武騎手は、トップナイフを操る父と「横山家対決」となる。かつて手綱を握ったタイトルホルダーとの決定的な違いがあるとすれば、両馬の脚質だろう。
皐月賞(G1)は、道中がハイペースになったことも追い風となって、豪快な直線一気で一冠目を制したが、好位から進めた日本ダービー(G1)は先に抜け出したタスティエーラを捕まえ切れずに2着。先日のセントライト記念(G2)もゴール前で猛追を見せたが、レーベンスティールが先にゴール板を駆け抜けた後だった。イメージとしてはセイウンスカイに敗れたスペシャルウィークに近いか。
となると一日の長があるとすればトップナイフの方か。2年前のタイトルホルダーも昨年のアスクビクターモアも4コーナーを先頭で駆け抜ける積極策で栄冠を手にした。当日の馬場コンディションにも影響されるだろうが、逃げる競馬でホープフルS(G1)をハナ差の2着に入ったトップナイフなら、横山典弘マジックの再現にも期待できそうだ。
まだ横山典騎手が「逃げる」かどうかは分からないものの、短距離以上に騎手の腕が問われる長丁場だけに、展開のカギを握る人物であることは間違いない。
懸念があるとしたらデクラレーションオブウォーの産駒ということか。トップナイフの近親にも短距離寄りの馬が多く、血統的に生粋のステイヤーといえるかは疑問が残る。
とはいえ、近年の菊花賞は一昔前ほど、バリバリのステイヤー血統が幅を利かせている訳でもない。そこは名手・横山典騎手の手腕に期待したいところだ。
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