【JBCレディスクラシック(G1)展望】J.モレイラのグランブリッジか、M.デムーロのアーテルアストレアか…砂の女王決定戦は「乗り替わり」がカギ!
3日、大井競馬場では「JBC」が開催される。G1・3鞍のうち9Rに組まれているのが、国内で唯一の牝馬限定ダートG1、JBCレディスクラシックだ。
2011年に創設され、今年が13回目と歴史はまだ浅いが、すでに2頭(11-12年ミラクルレジェンド、15-16年ホワイトフーガ)が連覇を達成している。
今年は昨年の覇者ヴァレーデラルナ(牝4歳、栗東・藤原英昭厩舎)が出走を予定。史上3頭目の連覇が懸かっているが、近2走は不振で人気を落とすと見られている。
盛岡で開催された昨年は、1勝クラスから一気の4連勝で戴冠したヴァレーデラルナ。岩田望来騎手にG1初制覇をもたらしたが、あれから1年が経ち、その後は4連敗と精彩を欠いている。
直後のTCK女王盃(G3)とエンプレス杯(G2)こそ、連続2着に好走し、G1馬の実力を示したものの、5月のかしわ記念(G1)で8着、さらに前走レディスプレリュード(G2)は6着と掲示板を外している。
ただ、5か月ぶりの前走は自己最高を大きく上回る馬体重で余裕残しの状態。それをひと叩きされた効果で、今回は大きく前進してもおかしくないだろう。前走に続き横山武史騎手とのコンビで、1年ぶりの激走に期待が懸かる。
そんなヴァレーデラルナに代わって今年の主役を務めるのは1年前の当レースで2着に敗れたグランブリッジ(牝4歳、栗東・新谷功一厩舎)だ。
昨年夏に関東オークス(G2)とブリーダーズゴールドC(G3)を制したグランブリッジ。2番人気に支持された昨年の当レースは、1番人気のショウナンナデシコをマークする形で中団を追走した。
最後の直線でラチ沿いに進路を取ったショウナンナデシコを大外から交わしたものの、早め先頭に立ったヴァレーデラルナにはクビ差及ばず。春からの連勝は3で止まった。
その後は川田将雅騎手との新コンビでTCK女王盃とエンプレス杯でヴァレーデラルナに連勝。その2戦で着差も1馬身→2馬身半と広げており、2頭の立場は完全に逆転している状況だ。
ただし、4か月ぶりの休み明けで臨んだ2走前のスパーキングレディーC(G3)で4着、さらに3か月ぶりの前走レディスプレリュードも1番人気を裏切っての2着と取りこぼしている点はやや気掛かりだ。
レース間隔は詰めた時の方が好走しており、中3週のローテーションで迎える今回は好走条件に合致する。川田騎手は米国ブリーダーズC(G1)参戦で不在のため騎乗できないが、代打がJ.モレイラ騎手なら不安はないだろう。
目下の勢いならレディスプレリュードでグランブリッジをクビ差で退けたアーテルアストレア(牝4歳、栗東・橋口慎介厩舎)に分があるか。
450kg台のやや小柄な馬体から繰り出すパワフルな末脚が自慢のリーチザクラウン産駒は、2勝クラス、3勝クラスを連勝して臨んだ今年3月のエンプレス杯で重賞初挑戦。その時はグランブリッジから1秒2差の4着に敗れた。
その後はブリリアントS(L)3着、スレイプニルS(OP)5着と、牡馬相手に善戦すると、迎えた7月の名鉄杯(L)でオープン初勝利を飾った。さらに武豊騎手と初コンビを組んだ前走で重賞初制覇。今回はグランブリッジと1kgの斤量差はなくなるが、徐々に地力をつけており、3連勝での戴冠をかなえても驚けないだろう。鞍上を務めるのは初コンビのM.デムーロ騎手だ。
地方競馬初参戦のアイコンテーラー(牝5歳、栗東・河内洋厩舎)は、長く芝の中距離路線で活躍。今年1月の愛知杯(G3)ではアートハウスの2着に好走した実績もある。
ダートに転じたのは2走前のBSN賞(L)。その一戦でブルベアイリーデやヴァンヤールなど重賞でも好走歴のある牡馬を相手に楽勝すると、前走シリウスS(G3)で、ハギノアレグリアスの2着に食い込んだ。ダート3戦目で慣れも見込め、牝馬限定戦なら上位争いに加わる可能性も十分ありそう。
7月のスパーキングレディーCで重賞初制覇を飾ったのはレディバグ(牝5歳、栗東・北出成人厩舎)だ。その後もサマーチャンピオン(G3)と南部杯(G1)で連続3着に好走しており、久々となる1800mへの距離延長に対応できれば、一発があってもおかしくない。
この他には、夏の新潟で牡馬相手にレパードS(G3)を制したライオットガール(牝3歳、栗東・中村直也厩舎)、ハナを切ったときの粘り腰が魅力のテリオスベル(牝6歳、美浦・田島俊明厩舎)、今年のフェブラリーS(G1)で6着に健闘したスピーディキック(牝4歳、浦和・藤原智行厩舎)などにも注意が必要だ。
3年ぶりに大井で開催される砂の女王決定戦を制するのは果たしてどの馬か。レースは3日15時20分に発走予定となっている。