宝塚記念(G1)の”前座”は任せろ! その視線はすでに「秋の盾」に……遅れてきた大器シルバーステートが「常識破り」の格上挑戦で連勝を目指す!
わずか数秒の事だった。最後の直線に入り、鞍上の福永祐一騎手がほんの少し行く気を見せると、即座に馬が反応。スッと後続を2馬身ほど突き放すと、2番手からプレッシャーを掛けに行っていたオウケンブラックが途端についていけなくなった。
結局、シルバーステートは終始楽な手ごたえのまま後続に3馬身差をつけてゴール。
レース後に福永騎手が「楽な競馬になってよかった」と語るほど、余裕のあるレース展開だった。極端なスローペースからの瞬発力勝負となったが、本馬が記録した上がり3ハロン33.3秒はメンバー最速。長期休養を余儀なくされながらもその能力に陰りはなく、1000万下ではレベルの違いを強く感じさせた。
そんなシルバーステートが、今度は24日の垂水S(1600万下)に出走する。4歳馬ということで、6月を機に本賞金が半額となって本来ならもう一度1000万下のレースに出走できる状況なのだが、秋に大舞台での戦いを睨んで切る以上、陣営に”足踏み”するつもりはないのだろう。述べるまでもなく、クラスが1つ上がっても高い勝算があっての出走となるようだ。
「あえての格上挑戦も異例ながら、前走から約1カ月。屈腱炎を患った馬が順調に使えているということが何よりも大きいですね。降級直後ということもあって重賞勝ち馬や現級勝利馬など骨のありそうなメンバーが揃いましたが、この馬のスケールを考えれば、ここで止まるわけにはいかないでしょう。