宝塚記念(G1)で高畑充希の「悲鳴」が響き渡る!? 「絶好8枠」の影の存在サトノクラウンがまさかの「キタサン食い」に虎視眈々
また、最大の懸念とされる輸送に関しても、今回は前回よりも1日前倒しした金曜日の朝に出発を早めている。これによって土曜日の移動を避けたことで渋滞に巻き込まれる確率は格段に下がり、なおかつ現地で輸送のダメージを回復できる時間が長くなる。
無論、こういった細やかな修正作業は堀厩舎に限らず、どこの陣営でも行っていることだ。ただ、それでも堀厩舎が数々の成功例を生み出し続けているのは、その修正の方向性が的確だからに他ならない。
昨年まで堀厩舎の看板だったモーリスなどは、まさに厩舎力が如実に現れた実例だ。
昨春、香港でチャンピオンズマイル(G1)を制したものの検疫の都合上、東京競馬場での調整を余儀なくされた安田記念(G1)で2着に敗退。昨年から続いていた連勝は7でストップした。その後も3歳以来の2000m以上となった札幌記念(G2)でも、同厩のネオリアリズムに足をすくわれて連敗。前年の年度代表馬の歯車は、確実に狂いだしていた。
そうして迎えた天皇賞・秋(G1)。エイシンヒカリやリアルスティールといった国際G1馬との初対決という相手関係以上に、モーリスは「2つの課題」が解消できないまま本番を迎えている。
1つは安田記念の敗戦で示した左回りへの適正。東京競馬場で行われた追い切りでも見せていた左回りでなかなか手前を変えない悪癖はレースでも露見し、それが敗因の1つとして挙げられていた。
もう1つは札幌記念の敗戦で示した2000mへの不安だ。ネオリアリズムに絶妙のペースで逃げられたとはいえ、3歳馬のレインボーラインにもクビ差に迫られた2着は、とてもこの馬本来の走りとはいえなかった。安田記念で1.7倍だった単勝オッズは、3.6倍まで落ちていた。
しかし、いざレースが始まってみればそんな課題など、まるで元からなかったかのように力強い走りを見せる「王者」の姿があった。