藤田菜七子「環境が良くなっている」ホープフルSは女性騎手3名が参戦! 西では永島まなみ「最多勝」へ固め打ちなるか
7日、JRAは今年行われた調教師試験の合格者を発表した。その1人である前川恭子氏は、JRA史上初の女性トレーナーとなる。歴史的なニュースを受けて、藤田菜七子騎手は「女性が働く環境が少しずつ良くなっているのを感じます」と祝福のコメントを残した。
時代が変わり、女性の進出も珍しくなくなった競馬界。それを表すかのように、28日に中山競馬場で行われるホープフルS(G1)には3名の女性騎手が揃った。アンモシエラに藤田騎手、アドミラルシップにH.ドイル騎手、ホルトバージには今村聖奈騎手が騎乗予定だ。
先月26日のジャパンC(G1)にも藤田騎手、ドイル騎手、M.ヴェロン騎手と3名の女性騎手が参戦。国内G1では史上初と話題になったが、早くも2度目が実現することになった。なお、JRAの女性騎手が複数名G1に騎乗するのは、今回のホープフルSが初となる。
3頭とも人気薄が予想されるが、ダートながらキャリア5戦のアンモシエラや、同じく5戦のホルトバージも侮れない。昨年の同レースは、ダートで初勝利のドゥラエレーデと通算7戦目のトップナイフが連対しており、キャリアを積んだ2頭が再び波乱を起こす可能性もある。
また、ドイル騎手はすでに海外でG1勝利経験がある名手。そんな彼女が素質を認めるアドミラルシップは、今年の有馬記念(G1)に出走したライラックの半弟にあたる。キャリアは1戦1勝だが、デビュー戦から京都への遠征を経験し、2着に下したヴィレムも2戦目の未勝利を勝ち上がった実力馬だけに大物の可能性もあるだろう。
未知数な部分も多い2歳G1、今年もまさかの結末が見られるかもしれない。
西では永島まなみが「最多勝」へ
ホープフルSの裏開催となる阪神競馬場では、永島まなみ騎手が7鞍に騎乗を予定している。同騎手は、10日の阪神ジュベナイルF(G1)で初の大舞台を経験。今年はここまで48勝と、昨年に今村騎手が達成したばかりの51勝=女性騎手の年間最多勝まで、あと3勝と迫っている。
ややハードルの高い1日3勝だが、今年の永島騎手は4月9日の福島と、9月2日の小倉でそれぞれ3勝を挙げている。今年の開催最終日となる28日、土壇場で再び固め打ちを決めて記録達成となるか。
また、騎手リーディングでは現在20位と、こちらも女性騎手の歴代トップという記録がかかっている。同じく48勝の三浦皇成騎手や、47勝の横山和生騎手などが僅差なので、1つでも白星を挙げて高順位を確定させたいところだ。
昨年の今村騎手に続いて、今年も永島騎手の飛躍や新トレーナーの誕生など、女性の活躍が目立った。そんな2023年の締めくくりに、東西で彼女たちが大仕事を果たせるか、平場のレースからG1まで目が離せない。