3億円超で取引された「最後の大物候補」が復帰間近? 海外では「頂上対決」の実現も…まだまだ熱いディープインパクトの産駒たち
3月30日に行われるドバイシーマクラシック(G1)。昨年はイクイノックスが完勝を収めた舞台に、今年も日本からはリバティアイランド、スターズオンアース、ジャスティンパレス、シャフリヤールと豪華G1馬が揃う予定だ。
海外からは、ディープインパクト産駒のG1・5勝馬オーギュストロダンも参戦予定。同父のジャスティンパレス、シャフリヤールとの対決が実現する運びだ。
数少なくなってきた産駒同士による、現役屈指のマッチアップ。ジャスティンパレスにとっては初の海外だが、昨年の天皇賞・春(G1)以来の勝利を掴めるか。また、海外経験に富んだシャフリヤールは、2年前の同レース以来となる復活勝利を果たしたい。
国内においてもディープインパクト産駒は今年、プラダリアが京都記念(G2)を制覇。サリエラがダイヤモンドS(G3)2着、ドーブネが中山記念(G2)2着と未だ存在感を放っている。
そんな父のラストクロップはオーギュストロダンに代表される現4歳世代であり、JRAの現役馬は残り4頭。母数が少なく、昨年のクラシック戦線での活躍も見られず「世代交代」を惜しむ声もあったが、ここに来て盛り返しの予感がする。
24日の阪神7Rでは、スイープアワーズ(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)が7ヶ月ぶりの2勝目をマーク。母はG1・3勝馬スイープトウショウ、取引価格2億2000万円の貴重な1頭が、鞍上の武豊騎手に「クラスが違う」と言わしめる勝ち方を見せた。
また、ライトクオンタム(牝4歳、栗東・武幸四郎厩舎)は昨年のターコイズS(G3)で14番人気5着、4日の小倉日経オープン(OP)でも3着と健闘した。昨年のシンザン記念(G3)勝利後は振るわなかったが、復活の兆しと言えるだろう。
「最後の大物候補」が復帰間近?
奮闘を続ける最終世代からもう1頭、昨年のきさらぎ賞(G3)を最後に休養中だったオープンファイア(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)も帰厩が報じられた。
きさらぎ賞では2着に敗れこそしたが、上がり3ハロン最速の33.8秒は、1着フリームファクシのそれを0.4秒も上回った。セレクトセールでの落札額は3億3000万円と超高額であったことから、まさに「最後の大物候補」に期待したい1頭だ。
当時、鞍上のB.ムルザバエフ騎手も「子供っぽいところが多くて、成長を見ていけばすごい馬になると思う」と評価。それから間隔は空いてしまったが、成長した姿を見せられるか。調整が順調に進めば、近いうちに復帰戦が見られるだろう。
近年ではリーディングサイヤーを争うキズナの産駒を筆頭に、孫の世代から有力馬が多く出ているが、ディープインパクトの仔もまだまだ注目を集めそうだ。