
川田将雅、桜花賞惨敗でグランアレグリア級の「遅れてきた大物」にぐらり!? 2年前は桜花賞馬スターズオンアースに騎乗せず

朝日杯FSの3着の実力馬が本領発揮
7日、阪神競馬場で行われた忘れな草賞(L)は、1番人気のタガノエルピーダ(牝3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が勝利。待望の賞金加算に成功し、5月のオークス(G1)へ大きな一歩を踏み出した。
8頭立て芝2000mのレースは、スタート直後こそハナの譲り合いがあったが、最内からパレハが主張すると、隣にいたプシプシーナも譲らない。後にタガノエルピーダの鞍上・川田将雅騎手が「変な展開」と称したレースは、オオナミコナミも加えて3頭が飛ばす展開となり、最初のコーナーを抜けるころには後続を大きく引き離した。
その結果、1000m通過が58.1秒という、この時期の3歳牝馬としては過酷なペースに。しかし、これはタガノエルピーダにとっては歓迎だったのではないだろうか。何故なら、厳しいペースになればなるほど「地力」がモノを言うからだ。最後は2着ステラクラウンに2馬身半差をつける圧勝だった。
「はっきり言って陣営からすれば、もうこれ以上の“足踏み”は許されない状況だったと思います。
タガノエルピーダといえば、牝馬ながらに昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)で牡馬に交じって3着した実力馬。ちなみに3着は、阪神ジュベナイルF(G1)が牝馬限定戦になってからG1・6勝馬のグランアレグリアと並ぶ牝馬の最高着順です。前走のチューリップ賞(G2)でも1番人気になるなど、本来であればこの忘れな草賞ではなく、同日の桜花賞(G1)の有力候補に挙がっていてもおかしくない存在。陣営としても、今回の勝利に胸を撫で下ろしているでしょうね」(競馬記者)
一方、ある意味タガノエルピーダ陣営を救ったのが、乱ペースにも落ち着いた騎乗を見せた川田騎手だ。
大逃げする3頭を見ながらの4番手という難しいポジションだったが、ここで慌てないのが川田騎手。残り1000mから冷静に差を詰めると、4コーナーで早々に先頭に躍り出て押し切った。内容も、その意味も非常に大きな勝利となったが、レース後も「変な展開になりましたが、自分のリズムで1個1個練習しながら。いい経験になったと思います」と、いつもの“川田節”である。
これには斉藤調教師も「オークスに行くには賞金加算をしないといけないレース。(大逃げした)3頭の後ろで難しかったと思いますが、ジョッキーが上手に乗ってくれました」と川田騎手に感謝。陣営にとっても頼もしい限りだったに違いないが、問題は本番のオークスでも騎乗してくれるかだろう。
「川田騎手にはクイーンC(G3)を勝ち、桜花賞でも騎乗したクイーンズウォークがお手馬にいるので、普通ならオークスでも引き続きコンビを組むと思います。
ただ、勝ったステレンボッシュと2着アスコリピチェーノに次ぐ3番人気と期待を集めた桜花賞では8着。内から一瞬だけ脚を使いましたが、本来の伸びではありませんでした。元々、陣営がオークス向きと言っている馬ですが、本番へ小さくはない課題が残った形になります」(別の記者)
2年前は桜花賞馬スターズオンアースに騎乗せず

川田騎手といえば、一昨年の桜花賞をスターズオンアースで勝利したものの、続くオークスではアートハウスに騎乗。桜花賞馬を選択しないという前代未聞の乗り替わりがあった。
「アートハウスは懇意にしている中内田充正厩舎の所属馬で、川田騎手は母パールコードの主戦騎手も務めていました。母が秋華賞(G1)で2着だったこともあって『娘でG1を獲りたい』と乗り替わりを決断したそうです。ですが、結果は7着。それもC.ルメール騎手に乗り替わったスターズオンアースがオークスで二冠を達成するという厳しい結果に。ただ、川田騎手は自身の選択を後悔していない様子でした」(同)
「様子を見て、大丈夫ならオークスに向かいたいと思います」(斉藤調教師)
全国の競馬ファンを驚かせた「あの乗り替わり」から2年。奇しくもタガノエルピーダもまた川田騎手の手綱によって、忘れな草賞を勝った馬になった。ただ、今回は逆に桜花賞で騎乗したクイーンズウォークが中内田厩舎の所属馬である。
果たして、一昨年のリーディングジョッキーがオークスで騎乗するのは……。この日のタガノエルピーダのパフォーマンスは、百戦錬磨の川田騎手の心にも残ったはずだ。
PICK UP
Ranking
17:30更新巷に出回る川田将雅「長距離苦手説」をデータで検証、阪神大賞典(G2)で気になる「13年未勝利」の課題…リーディングジョッキーの意外な過去
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 武豊の次に「上手い」のはアキヤマ!?「世界No.1」のR.ムーア騎手が「上手な日本人騎手」として武豊騎手の次に挙げた”意外”な名前
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- JRA池添謙一「2度結婚」「DV不倫」よりも紆余曲折の騎手人生。オルフェーヴル三冠→外国人で凱旋門賞、勝負強さは当代随一だが……
- 「オグリキャップ負けた」が話題となった宝塚記念…悲運の鞍上は武豊と同世代、勝ち馬の騎手は後に競馬界から追放のショック【競馬クロニクル 第60回】
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
関連記事
【アンタレスS(G3)展望】砂で新境地ヴィクティファルス「二刀流」完遂へ!? ジェンティルドンナ弟、ディープインパクト「砂の大物候補」も登場予定
【アーリントンC(G3)展望】3歳マイル王の座を狙う「逸材」多数!名牝ヴィブロス2番仔、ピクシーナイト弟、ファントムシーフ弟ら「有望株」が集結
【皐月賞(G1)展望】C.ルメール「OUT」でレガレイラ「新相棒」は誰に…? シンエンペラーは坂井瑠星と新コンビで反撃へ!
JRA「単勝190.4倍」でNHKマイルC出走権に迫るも松岡正海は謝罪…仏国の名手も「やっちまった」まさかのアクシデント
「ゲートに尻尾が挟まった?」2番人気が「大出遅れ」で最下位ゴール…レース後JRAから処分もファンから疑問の声。地方の現役最強馬も襲われた「あり得ない」アクシデントとは