【皐月賞】とにかく「切れる馬」を狙え!レガレイラではなくディープインパクトの再来が面白い…アノ馬の2着付けで勝負
先週末に行われた桜花賞(G1)は2番人気ステレンボッシュが勝利し、1番人気アスコリピチェーノが2着、結果的には順当といえた。だが今週末の皐月賞(G1)は桜花賞以上に難解な一戦、とてもじゃないが人気通りに収まるとは思えない。まず出走馬は以下の通り。
■2024皐月賞
1 サンライズジパング 菅原明良
2 メイショウタバル 浜中俊
3 エコロヴァルツ 武豊
4 シリウスコルト 三浦皇成
5 ミスタージーティー 藤岡佑介
6 アレグロブリランテ 横山和生
7 ルカランフィースト 松山弘平
8 ジャンタルマンタル 川田将雅
9 アーバンシック 横山武史
10 レガレイラ 北村宏司
11 ホウオウプロサンゲ 菱田裕二
12 コスモキュランダ モレイラ
13 ジャスティンミラノ 戸崎圭太
14 シンエンペラー 坂井瑠星
15 サンライズアース デムーロ
16 ダノンデサイル 横山典弘
17 ビザンチンドリーム ムルザバエフ
18 ウォーターリヒト 幸英明
直前まで鞍上が未定だったレガレイラは北村宏司騎手に決定した。さすがに好メンバーが揃い有力馬は五指に余る状況だが、馬券の中心としてオススメしたいのがシンエンペラー(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)だ。
デビュー戦、京都2歳S(G3)を連勝し、ホープフルS(G1)を2着。トライアルの弥生賞ディープインパクト記念(G2)も2着と好走し、ここまで4戦2勝2着2回のパーフェクト連対を継続中。関西馬ながら4戦中3戦が関東への遠征というのも、陣営のクラシックに対する本気度を感じる。
もともと矢作調教師は凱旋門賞馬ソットサスの全弟という血統背景から、3歳時はヨーロッパ遠征を念頭に置いていたが、それを断念して国内に専念することになった経緯がある。皐月賞、そして日本ダービー(G1)のいずれかを勝利できれば、斤量が有利な3歳時に凱旋門賞(G1)へ挑戦することも可能だからだ。
完成度はまだ先かもしれないが、それは他馬も同じような状況。ここまでのコース経験や2000mを3戦している実績、そして鞍上を考えても、現時点での信頼度はこの馬が一番と思える。
皐月賞は2009年以降に逃げ馬の勝利はなく、先行馬も苦戦傾向。勝ち馬のほとんどは4コーナーで4番手以降となっており、とにかく差し馬が狙いだ。しかしどんな差し馬が好走するのか、その傾向は例年はっきりとせず、絞りにくい。
しかし連軸として考えるのであれば、差し馬よりも前の4~5番手から早めに抜け出せる馬を狙うのがわかりやすい。2019年のヴェロックス、2020年のサリオス、2021年のエフフォーリア、2022年のイクイノックス、昨年のタスティエーラなど、毎年のようにその位置で立ち回る馬が馬券に絡んでいる。つまり最後に差し馬に屈するかもしれないが、2着を確保できる先行馬を敢えて狙うという作戦だ。
その考え方は中山のコース形態も影響している。中山は小回りで直線コースが310mしかない。さらに多頭数を考えると、差し馬は不利を受ける可能性も高い。だからこそ不利を受けにくい馬を狙うのは理にかなっているはず。
そういった意味でもシンエンペラーはベストの存在だ。ホープフルSと弥生賞でともに2着とコース適性は抜群。ホープフルSは2番手からの早め抜け出しでレガレイラの末脚に屈したが、3着以下には2馬身差を付けた。弥生賞は先行馬が残るスローペースでコスモキュランダに敗退したが、4コーナー5番手から最速の上がりで2着を確保している。この2戦からも、展開を問わず安定して力を出し切れるコース適性と安定度がある。
そして今回は鞍上が坂井瑠星騎手となるが、今年は高松宮記念(G1)をマッドクールで勝利し、桜花賞も人気薄のライトバックで3着。今もっとも勢いのあるジョッキーだ。そして先行馬を得意としており、秋華賞(G1)は4コーナー4番手からの絶妙な仕掛けで勝利している。さらにホープフルSから弥生賞というローテーションも、皐月賞に向けて本気度を感じる使い方。このレースを勝たなければ三冠馬になることは不可能なのだから、矢作調教師の意気込みも感じる。
今回入った7枠も、過去20年でもっとも高い勝率と連対率があり、荒れた馬場と同馬の脚質を考えれば絶好といえる。内に逃げが持ち味のメイショウタバルやシリウスコルト、アレグロブリランテ、ホウオウプロサンゲらが入り、それを見ながら競馬ができるのも大きなポイント。ゴール前で差し馬に屈する光景が目に浮かぶものの、連軸としてはこのシンエンペラーを2着固定で勝負することをオススメしたい。
そして相手は前述したように、とにかく切れる差し馬だ。幸いなことに今年の皐月賞は天候に恵まれて良馬場が濃厚。過去10年を見ても良馬場で行われた場合は、優勝馬は上がり33秒9から34秒6までの脚を使っている。今回は逃げ先行馬が揃ってスローペースは考えられず、淀みない流れの2000mでこの脚が使える馬を探す必要がある。
その条件は【1800m以上の重賞かオープン特別で、4コーナーで4番手以降から上がり34秒台以下の脚を使い、2着以内に好走したことがある馬】。今年の出走馬でその条件に嵌まるのが、以下の6頭だ。
ミスタージーティー(若葉S・34秒2)
ジャンタルマンタル(共同通信杯・32秒6)
アーバンシック (京成杯・33秒9)
ダノンデサイル (京成杯・34秒1)
ビザンチンドリーム(きさらぎ賞・33秒7)
ウォーターリヒト (きさらぎ賞・33秒8)
この6頭からさらに絞り込むと、過去10年で優勝馬ゼロの若葉S(L)、そして重賞で2着経験がないミスタージーティーは除外。そして前走がスプリングS(G2)9着のウォーターリヒトも、限界を感じるレース内容。過去10年の優勝馬はすべて前走が重賞2着以内であり、今年4戦目で上がり目も感じられず除外した。
残ったのはジャンタルマンタル、アーバンシック、ダノンデサイル、ビザンチンドリームの4頭となる。
ジャンタルマンタルは前走の共同通信杯(G3)で前残りの展開もあって2着に敗退したが、それでも上がり32秒6で力を証明。デビューからすべて上がり3位以内の脚を使っており、中山と2000mが未経験であっても押さえておくべき一頭である。
アーバンシックはデビューから34秒2→33秒2→33秒9という脚を使っており、典型的な差し馬。京成杯(G3)2着からのローテーションと、鞍上が横山武史騎手でソールオリエンスをイメージさせる。
ダノンデサイルは京成杯の勝ち馬。デビューから4戦すべて上がりが2位以内で、京都2歳Sではシンエンペラーよりも速い上がりを使っている。
そして一番の注目はビザンチンドリームだ。デビュー戦が2000mで上がり最速の33秒9、2戦目が重賞のきさらぎ賞(G3・芝1800m)で上がり最速の33秒7。ここまで2戦2勝と無敗を誇り、ともに上がり最速を記録。戦績は違えど、デビューからすべて上がり最速の脚を使い、無敗で皐月賞を勝利したディープインパクトを彷彿させる存在だ。ちなみにディープインパクトのデビュー戦は12月の阪神芝2000mで2分3秒8(良馬場・上がり33秒1)、ビザンチンドリームも同じ12月の阪神芝2000mで2分1秒4(良馬場・上がり33秒9)。ペースは違うので参考にしかならないが、同馬に大きな魅力を感じるのは筆者だけではないはずだ。
以上のように、今年の皐月賞はこの4頭を1着に固定し、シンエンペラーを2着付けの馬単が勝負馬券。さらに3連単も購入するなら、レガレイラやコスモキュランダ、サンライズジパング、サンライズアース、メイショウタバルなども加えて手広く購入するのがいいだろう。
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